着物地の種類〜友禅〜
*友禅…友禅染の技法で美しい絵模様を描いた生地のこと。
友禅染の技法
@線描きした上に糸目糊と呼ばれる糸を引いたように細い防染糊で輪郭を描く。 A描いた輪郭の内側の文様を筆や刷毛で彩色する。 B彩色した文様全体を伏せ糊で覆って刷毛で地色に染色し、水洗いで糊を落として染色などの仕上げを行う。 |
l 由来は扇絵師の宮崎友禅斎。
l 布を染料に浸すのではなく染料を布地に塗る技法(色挿し)は、合成染料を用いる現在では簡単だが、天然染料で美しい色を定着させる技術として当時は画期的だった。
l 全行程を手作業で行った友禅を手描き友禅という。高価である。型友禅に対して本友禅と呼び、区別される。
l 明治時代には型紙を用いる型友禅の技法が生まれ、大量生産が可能になった。そのため庶民にも広まった。
l 近年では、染料の発達により、糸目糊を置かずにじかに生地を染める方法もとられている。
l 京友禅、加賀友禅、江戸(東京)友禅が種類として挙げられる。
京友禅
日本画のような絵を多彩な色で染め、金銀箔や刺繍を施した華やかさが特徴。
加賀友禅
臙脂、藍、黄土、緑、紫の加賀五彩を用いたしっとりとした色合いが魅力。
江戸(東京)友禅
裾模様に千鳥、つり船など海沿いの風景を白と藍のさっぱりした色遣いで描いたものが多い。