着物地の種類〜透綾・繻子〜

 

*透綾(すきや)…透きとおるように薄い絹織物。見るからに涼しそうな女性の夏のおしゃれ着物地である。

 

l  江戸末期から、新潟県十日町市で織られている。

l  シースルーのため透綾の着物の下には襦袢を着なければならず、実際は木綿や麻の浴衣や帷子などの夏物よりも暑い。

l  本来は経糸に生染め糸、緯糸に苧麻糸を用いていたが、後に経糸・緯糸ともに練染め糸を用いて縞柄に織られるようになった。

l  平透綾、撚り透綾、絽透綾、縮緬透綾などがある。

 

 

*繻子(しゅす)…いわゆるサテンのこと。織物の表面がなめらかで、美しい光沢があるのが特徴。

 

l  江戸後期に、黒の繻子を着物の襟にかけるのが流行した。芸者から庶民へと広まり、明治末期ころまで定番化していた。

l  「平織り」、「綾織り」とともに織物三原組織のひとつ。

l  経糸を多く浮かせた経繻子、緯糸を多く浮かせた緯繻子がある。浮き糸が多いため、平織りや綾織りに比べて耐久性は強くない。

l  経糸・緯糸に本絹を用いた本繻子、絹と綿を混ぜて織る綿繻子などの種類がある。

 

 

 

☆平織り・綾織りとは?

²  平織り…経糸・緯糸を一本ずつ交互に上下に組み合わせて織った織物。もっとも単純で基本的な織組織である。表面がなめらかで、かたい生地に織り上がる。耐久性に優れる。

²  綾織り…経糸と緯糸が浮いて、交差する部分が織面に向かって斜めに配列された織物。伸縮性に優れる。「斜文織り」ともいわれる。