日本の色
l 日本人…古くから、植物や鉱物などの天然染料で多彩な色調を染める技術に優れていた。
l 「紅梅」「菫」「浅葱」「萌黄」「鬱金(うこん)」「海松(みる)」「鳥の子」「鴇(朱鷺)」など、日本の自然の美しさや豊かさを反映した風雅な名前を付けて楽しんだ。
l 平安時代…「十二単」のように、複数の色を合わせた「襲(かさね)」という着こなし術が進んだ。
*たとえば表地が白、裏地に赤花の「桜」、青と濃紅梅の「菖蒲」、赤色と濃赤色の「紅葉」、白と紅梅の「雪の下」など。表地に裏地の色が映る微妙な色合いで、四季折々の風情を表現した。ちなみに、桜は春、菖蒲は夏、紅葉は秋、雪の下は冬を表現している。
l 江戸時代…栗皮色、海老茶色といった茶色、利休鼠、藍鼠といった色だけで「四十八茶鼠」もあるほど、微妙な中間色を染め分ける技術が発展した。