6月18日
107-387 藤澤桃美
きものを着た後は…A
*汚れが付いてしまった時の応急処置
醤油やジュースなどの水溶性汚れの対処
熱めの湯をタオルの先に含ませて軽く絞ってから、汚れの部分を中心から外へと約倍の広さにたたき伸ばすようにする。そしてドライヤーの温風を周りからだんだん中心へ乾かすように当てる。外出先での応急処置としては、ティッシュで汚れをつまみ取り、濡らしたハンカチで同様に中心から外へとたたいて、掌をあてて乾かす。これが最小限の応急処置である。
抹茶または抹茶の粉による汚れの対処
点てた抹茶をこぼした時は、絶対にすぐには触らない。完全に乾いてから、たたくようにして振り払う。粉の抹茶も同様で、すぐに擦ったりせずにしばらく置いてからたたいて振り落とす。
*難しそうなシミや汚れは悉皆屋に
悉皆屋とは、江戸時代に大阪で衣服の染色や染返しなどを請け負っていた職人が元になっている。悉皆という言葉には、みな、のこらず、ことごとくという意味があるように、悉皆屋はシミ落としからクリーニング、染め替え、リフォームまできものの手入れ全般を請け負う専門家である。時間が経って変色してしまったシミや手に負えない汚れ、カビ、汚れを擦ってできた摺れ、色焼けなど難しい汚れは悉皆屋に持って行って相談することが一番である。
*きものをたたむ
きものを丁寧にたたむことは最低限の管理である。
きものをたたむ前には良く手を洗い、口紅も落とす。掌で撫でるように表面を整えながら、手の温もりで伸ばすような感じでたたんでいく。衿や衿先、袂など、重なって段差が付く部分にはしわが生じやすいので、あて布を置く。あて布には糊を抜き切った白木綿や晒、洗いざらしの木綿のシーツなどを使う。(糊は虫を寄せ付けやすいため、布でも紙でも糊の付いたものはきものには使わないようにする。)