着物の模様配置A

 

4.裾模様

 総模様(絵羽模様)に対する言葉。腰から下の部分に模様を染めた着物のこと。江戸時代、裕福な人々は豪華な絵羽模様(総模様)の小袖を競って着ていた。しかし、それに対して幕府はしばしば奢侈禁止令を出した。そのため、江戸時代中期頃から絵羽模様は腰高模様になり、さらに下がって裾模様となった。模様の入る位置の高さによって七寸模様、五寸模様、三寸模様という。

 江戸時代中期に生まれ、帯との組み合わせを楽しむようになった。現在は女性の礼装着物の模様で、留袖に用いられている。

 

 

5.褄模様

 着物の褄の部分に模様のある着物のこと。着物の褄だけに模様のある「江戸褄」が流行し、それが発展して着物の上前の衿先、衽、前褄に模様のある「島原褄」が流行した。

 宝暦(17511763)頃に考案され、明和・安永(17641780)頃に流行した。現在は、褄から後裾に模様が広がっているものが主流で、「大江戸褄模様」、「新江戸褄模様」「江戸褄後掛」と呼ばれる。現在では、留袖に「江戸褄模様」が用いられている。