4月16日
107-387 藤澤桃美
最初の1枚は何を買う?@
*「色無地はとても便利」?
最初の1枚は何を買うべきか?これについては、ありとあらゆるきもの入門書やエッセイで触れられているが、その中で「色無地は便利」というオススメにはひっかからないようにしたい。お茶をやっている人にとっては色無地は制服みたいなもので、とても必要になるらしい。しかし、普通の人が手にするのはずっと後で良い。なぜなら、色無地や留袖、訪問着、振袖などというものは、成人式や結婚式、法事、お茶事等の「正式な席」用の、いわばフォーマルドレスのようなものであるからだ。洋服をコーディネートして新たにワードローブを揃えようとする時、まずフォーマルドレスから揃える人がいるだろうか?答えはNOである。
呉服屋さんは「1枚は持っておかないと」と言うだろう。しかし、それは「いつかは1枚」と頭の中で変換するようにしておく。
分かりやすい変換表
u 江戸褄=ウエディングドレス・ローブデコルテ
u 色留袖=ローブデコルテ
u 振袖・訪問着=豪華なパーティドレス
u 付下げ=カクテルドレス
u 小紋=アフタヌーンドレス・スーツ・ワンピース
u 紬=カジュアルな洋服
u 今風のファッションきもの=今風の洋服
このように変換して、今自分は何が着たいかということを考えると良い。そうして考えると、「最初の1枚」のきものならば、遊びに出かけたり楽しんだりするための普段着=小紋以下が着たいということになる。だが、大雑把に小紋以下のきものといっても結局どんなものを買ったら良いか分からないというのが初心者の心情である。
※ローブデコルテ…ネックラインが深く大きくカットされ、首元や胸元を露わにしたスタイルのドレス。イブニングドレスの1つ。 |
参考文献:中島梓『着物中毒』ソフトバンククリエイティブ pp.68-74