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107-387 藤澤桃美

 

足袋について

 

「足袋」とは日本固有の伝統的な衣類で、足に履く一種の下着である。木綿の布でできたものが一般的で、日本の伝統的な履物である草履・下駄・雪駄などを履く際に用いるため、親指と人差し指の部分で袋が2つに分かれている。丈夫な生地で作られた本体にゴム底を貼り付け、直接屋外で履く事ができるようにした地下足袋(じかたび)と呼ばれる足袋もある。

現在、日本で生産されている足袋の約80%が埼玉県行田市で製造されている。これは、17世紀の初期頃から藩財政を助けるための産業として足袋の生産が奨励されたことに起源をもつ。他に生産地を挙げるならば、四国の徳島県が有名である。

 

 その起源について、文献上では11世紀頃に「足袋」の記載が見られるが、現在の足袋と同様の物であるかは不明。発音も「たび」と呼ばれていたのかは分かっていない。明確な起源は分かっていないが、平安時代の貴族が履いていた下沓(しとうず)と呼ばれる靴下か、当時の猟師が履いていたとされる皮製の靴下が源流であると考えられている。

初期の足袋は足首部分に紐が縫い付けてあり、紐を結ぶことで脱げ落ちないように留めていた。明暦3年(1657年)に起きた振袖火事[i]によって皮が品不足となり高騰したことから、木綿製のものが急速に普及していったと言われている。木綿製足袋の普及と同時に、紐止め式からボタン止め式へと足袋を留める方式も変化した。現在の足袋は「こはぜ」と呼ばれる金属製の金具を「受け糸」(または掛け糸)と呼ばれる糸のループに引っ掛けて留めるようになっているが、この方式は江戸後期から明治前期にかけて普及したものである。

 

*足袋の種類*

・皮足袋

・白足袋

・黒足袋

・色足袋

・柄足袋

・ヒール足袋

 



[i] 延焼面積・死者共に江戸時代最大の被害を出した。江戸の三大火事の筆頭としても挙げられる。振袖火事と呼ばれるのは伝承による。