2009529

107-347 野村 雄基

                              投資信託(1)

 

 投資信託とは、簡単に言うと「投資家の資金をまとめるための器」である。小口では投資できない商品に多くの投資家の資金をまとめることにより、少額でも投資を可能にした商品である。投資家から集めたお金を株式や債券で運用し、成果が出て基準価額(ファンドの時価)が上昇すれば、投資家は分配金を受け取ったり、売却して値上がり益を得たりできる。

投資信託の仕組み

 投資信託は販売会社、運用会社、管理会社の3社がそれぞれの役割を分担し、投資家に商品を提供する仕組みになっている。

 

販売会社(証券会社、銀行)

 販売会社とは、証券会社、銀行、その他の金融機関など投資信託を売る会社である。顧客と投資信託をつなぐ機能を担っている。投資信託の購入や分配金の受け取り、換金の手続き等は、販売会社を通じて行われる。

 

運用会社(投資信託会社)

 預かった資金を運用するのが投資信託会社である。投資信託会社ではアナリストと呼ばれる調査の専門家が経済・証券市場に関して様々な調査をする。その調査結果に基づいてファンドマネージャーが運用方針や投資対象を決定し、管理会社(信託銀行)に対して実際の運用を指図します。

 

管理会社(信託銀行)

 投資信託の資産を管理しているのは、管理会社である信託銀行である。信託銀行は投資信託会社が出す運用の指図に従って、株式や債券などの管理、売買に伴う事務処理を行う。

信託銀行では自社の資産や他のファンドの資産など、それぞれの資産を区別して保管(分別保管)しているので、万一信託銀行が破綻した場合でも、ファンドの純資産は安全に守られる。

 投資信託は販売会社、運用会社、管理会社のどこが破綻した場合でも分別管理によって資産は守られているが、元本保証はされていない。

 

参考文献

内藤忍『内藤忍の資産設計塾』自由国民社(2008)