200958

107-347  野村 雄基

リターンの向上

 

 リターンの向上のために、商品選択の基本視点を押させておく。そのポイントは@コストを下げる、Aシンプルな商品を選ぶ、B理解できない商品は手を出さない、の3つだ。

 

基本視点@ コストを下げる

 投資のリターンは3つの要素に分解することができる。

投資のリターン=無リスクリターン+リスクプレミアム−コスト

 

最も確実なリターン向上の方法はコストを下げることである。この無リスクリターンというのは、普通預金のようなリスクがほとんどない資産のリターンのことで、リスクプレミアムとは、リスクを取る見返りに期待できるリターンのことだ。株式や為替への投資から得られるリターンはリスクを取ることに対する見返りと考えられる。そして最後のコストはリターンを下げる要素である。3つの中で確実にリターンを改善できる要素はコストである。

 

基本視点A シンプルな商品を選ぶ

 商品選択で重要なことは、仕組みがわかりやすいシンプルな商品を選ぶこと。投資の手法や全体の仕組みが複雑で理解しにくい商品や、ブラックボックス化していて投資する側からは理解できないような商品は原則として手を出すべきではない。期待通りの運用成果が上がらない時に原因を知ることができないためだ。

 また、仕組みが複雑になればなるほど商品の組成を行うために、必要な弁護士費用や取引コストなどがかさんでいき、金融商品のコストは上昇していく。

 

基本視点B 理解できない商品は手を出さない

 日本でも繰り返し金融詐欺が発生しており、一向に被害は減らない。その原因は投資家の側にもある。理解できないのに何だかウマい話があると、つい乗せられてしまい詐欺に引っ掛かってしまっている場合が多いからだ。常識的に考えればあり得ないような高いリターンを保証している商品につい手を出してしまうのは、仕組みを理解しないまま投資するからである。

 オイシイ話には必ず裏があるもので、そもそもオイシイ話が向こうからやってくるはずはない、という当たり前のことに気がつく必要がある。オイシイ話が来たら、なぜその話が向こうから自分のところに来たのかを考えれば、売り手の意図が見えてくる。

参考文献

内藤忍『内藤忍の資産設計塾』自由国民社 2008