格差と少子化U
107-016 荒井大
前回の発表では、格差が少子化を引き起こす一つの重大な要因であるというのを発表した。特に低所得者の増加や非正規雇用者の増加が大きく関係している。今回はそのような一連の流れを詳しく説明していきたいと思う。
将来への不安
子供を育てるには、莫大な費用がかかる。一人の子供を22年間育てるのにかかる費用の平均は約3000万円と言われている。年間100万円以上の費用が最低でも必要だ。
2009年末の我が国の完全失業率は5.1%であり、15歳〜24歳の若者に関して言えば約10%とかなり高い。15歳〜24歳までの非正規雇用者の割合も男性で約40%、女性で約50%占めている。このような、将来が不安定な状態で子供を産め、出生率を上げろと言われても無理な話である。
失業率の増加はフリーターの増加をもたらす。このグラフは最新のものではないが、不況の影響により現在はさらにフリーターが増えているというのは容易に想像出来る。
このグラフで注目すべき点は30歳〜34歳のフリーター数の増加だ。子供が成長していけば、年間にかかる費用は当然増加していく。稼がなきゃいけない時にリストラされた場合、充分な養育費と生活の資金を稼ぐのは困難だ。
同時に再チャレンジが困難な時代であり、一回失敗したら這い上がるのは難しい。
このグラフは若年層のものであるが、これを見れば若者でも再チャレンジが困難であると言う事が分かる。若者でもこれだけ厳しい状況におかれていれば、当然中高年は更に厳しい。
年収を見てもフリーターはかなり低い事が分かる。また生涯で獲得する賃金の平均も正社員1億6千万円に対し、フリーター4千万円とかなり低く、養育費3000万+自身の生活費を稼ぐのは困難だ。
結論
フリーターや非正規雇用者などの経済的に不安定な人の増加が、未婚化や晩婚化につながり少子化社会を加速させている。また将来への不安が結婚時期を遅くし結果として少子化という図式が成り立っているのではないかと思う。
今、少子化対策として国は子育ての環境整備や育児手当などを積極的に行っている。
私はそれらの事よりもまず、雇用問題を解決し若者が安心して結婚出来る環境を整える事の方が大事であると思う。もう1つは一度失敗しても、再チャレンジ可能な社会への変換だ。だがこの問題は、能力格差などに繋がる。アメリカがこのいい例である。次週はこの事に触れていきたい。