格差は犯罪を生み出すか?(肯定派)

107016 荒井大

 

 格差が凶悪犯罪を生み出すかという問題に対して多くの学者が議論している。

 また、凶悪犯罪の多いアメリカでは犯罪学というのが学問として有名で、大学には犯罪学部を設置している所もある。

 今回は格差が凶悪犯罪を生み出すという説を肯定する人の意見を取り上げたい。

 

*犯罪学*

 犯罪学の一つに犯罪社会学がある。殺人や強盗などの凶悪犯罪率の高低がどのような、社会的変数と関係しているかについて、膨大なデータをもとにした実証的研究を行う。

 

 肯定派の意見

 秋葉原連続殺人事件の報道で古館キャスターは「格差社会がこのような残虐な無差別犯罪を引き起こした。」とニュースで報道した。

 関西大学竹内洋教授(社会学者)は、貧しい社会とか豊かな社会とかではなく、経済的格差が大きい社会で、凶悪犯罪率が高いことが判明していると論じた。
 (以下引用)

経済格差が大きくなれば、人々の間に理不尽さが蔓延する。社会や政府などへの信頼感がなくなる。
 信頼感は規範を遵守(じゅんしゅ)させるように作用するが、理不尽さと不信の蔓延はアノミー(無規範)状況をもたらす。社会規範を守る気持ちが弛緩(しかん)すればするほど、犯罪を生み出しやすくなる。

 

私の意見

まず古館キャスターの報道には信憑性がないと感じた。上記のように断言するなら格差と凶悪犯罪の関係性についての統計などを用意しないと意味がない。そもそも、この事件の加藤容疑者も経済格差が犯罪の原因だとは言ってない。

次に竹内洋教授の意見では、経済格差と凶悪犯罪の関係性についてのしっかりした因果関係がないので賛同出来ない。スェーデンの経済格差は世界的にもかなり低いと前期の発表で説明した。しかし犯罪発生件数は格差の大きい日本より遥かに高い。

人口10万にあたりの殺人発生件数

アメリカ 5.62 イタリア 1.12 英国 2.03 オランダ 0.97 スイス2.92 スウェーデン 2.45 チェコ 2.29 デンマーク 1.04 ドイツ 1.11 ハンガリー 2.00 フィンランド 2.54 ベルギー 1.50 ポーランド 1.87 日本1.10

 

参考文献

Nations Unies http://www.unodc.org/pdf/crime/eighthsurvey/8sc.pdf

日本経済新聞 http://www.nikkei.com/