平成22年1月29日
『抑商政策』
106-381伴 明典
商鞅は、商業を徹底的に抑制した。これは、商業で利益を得ることができれば、人民が商業に流れていってしまうからである。
@米の取引を全面的に禁止
農民は米を売り出すことを許されなくなると、怠け者の農民は、食料の不足を補えないから、生産に励むようになる。
商人は、米の買い入れが許されなくなれば、豊作の年に安く仕入れ、飢饉の年にうんと儲けることができない。
大儲けがなければ、商人は臆病になり農業でもやろうと考える。
A酒肉などの贅沢品に重税をかける
酒や肉に税金をかけ、原価の十倍にするようにした。商人は利益がなくなるから商売もやめるし、農民は酒を楽しんで飲めなくなる。
また、大臣も遊びほうけて、たらふく飲食するわけにはいかなくなる。
商人の数は減り、人民は酒に酔うことなく、怠けなくなり、大臣が遊ばなければ国は停滞しなくなる。
B関所の通行税や市場の物品税を重くする
関所の通行税や、市場の物品税を重くすれば、農民は商業を毛嫌いするようになり、商人は儲けの有無を疑い商人を辞めて農民になる
参考文献
清水潔 (1970)『商子』明徳出版社