アニメ制作会社の収入A

20091016

106-259 高井陸雄

 

アニメ制作会社がテレビ局から支給される製作費以外で得る収入の一つとして、再放送*1の放送権料がある。放送権という言葉が作られた理由はテレビアニメ『鉄腕アトム』において、制作会社主宰の手塚治虫が同時に原作者でもあるという事にあった。彼は自身の作品でもあるアニメ版の著作権を放送局に売り渡すことに難色を示し、テレビ局がアニメを放送してもよい権利を売ることで著作権を自身の手に留めたと言われている。この事から製作費とは本来は放送権を買うためにテレビ局が支払うものと考えられる。

ここで、ある作品の制作を依頼したテレビ局以外の局がそれを放送したい場合、作品そのものはすでに出来上がっているため製作費の負担は無い。しかし放送権は別個に購入する必要があるため、制作会社に一定額を支払うことになる。2001年の段階では、2年間で160万円が相場となっている(期間中は何度でも放送可)。

制作会社から見ると製作費のほとんどは制作を依頼したテレビ局から支払われているため、再放送の放送権料はほぼ丸儲けに近い形となる。

 

参考文献・URL

廣済堂「これがアニメビジネスだ」多田信、2002

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%8D%E6%94%BE%E9%80%81

Wikipedia 再放送

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1

Wikipedia テレビアニメ

 

1 制作を依頼したテレビ局以外の局が、遅れて作品を放送することを指す。本来の再放送とは意味が異なるが視聴者にとっては再放送のため、そう呼称する。