背景画の作成

2009626

106259 高井陸雄

 

背景画の作成は動画の進行と平行して行われる。背景はアニメーターによって描かれるのではなく、背景画専門のスタッフによって描かれる。この作業全体を統括するのが「美術監督」である。

背景は原画家が描いたレイアウトを基に描かれる。通常はカットにおける視界の広さに合わせて描かれるが、キャラクターがカットの中で歩いたり走ったりする場合は、その距離に応じたヨコ長の背景が描かれる。

背景で重要なのは、動画との組み合わせがある場合だ。例えば窓の向こう側から顔を出しているキャラクターを描く場合、背景と動画にズレがある事は避けなければならない。したがってレイアウトの段階で背景と動画の組み合う部分が決められ、背景担当とアニメーター双方に細かい指示が行われる。この指示は動画のチェック担当が行う。

背景が描き終わると動画と同様に彩色が行われる。最初にノーマル(昼)の一枚絵を作り、それとは別に夜や夕方の設定を別色で作る。また、シーンごとに特別な光の当たり方がある場合、専用の色を作る。

背景は動画と異なり、クリーンアップ(清書)したものではなく、OKの出たレイアウトをデジタルデータにする。それからパソコン上で描くのが2009年現在では主流である。ただ動画と比べると、彩色が絵の具で行われることが多い。

 

 

参考文献

平凡社新書 『アニメーション学入門』津樫信之、2005

 

誠文堂新光社『アニメーション制作の教科書 アニメーション・バイブル』2009