平成21年5月8日（金）

106−237　鈴木　龍也

パチンコホールの倒産事情

1. 2007年〜2009年初頭にかけての動向

2007年に4号機規制が起こり、この影響を受け2008年はパチンコ店経営業者のパチスロ部門の苦戦が目についた。射幸性の高いパチスロを好むユーザーの足がホールから遠のいたことが一番の原因だろう。ホール側はファンを呼び戻すため、設置する遊技機をパチスロからパチンコに変更したり、“1円ぱちんこ”に代表される低貸玉営業に力を入れたりと営業努力を続けた。

しかし、すべてのホールでそれが行われているわけではない。総入れ替えの費用は巨額なため（平均スロット1台約40〜50万×70台ぐらい）、総入れ替えが出来ない小ホールが存在した。そのため、2008年の倒産件数92件のうち半数以上（実質80％くらい）は資本の少ない小ホールだった。

2.これからの予想

　前年度は、大型倒産は少なかったが小規模倒産が多数発生している。その影響で取引会社との取引に大きな支障をきたし、破綻の道をたどる小ホールがあとをたたなかった。また、破綻にまで至らなくとも、取引業者に対する支払い条件の変更要請や、金融機関やリース会社に対するリスク要請なども多く見られた。この傾向は2009年も続く可能性が高い。

　また、今後も小ホールの倒産が目立つが、その一方で大ホールの業績は伸び続けるだろう。

＜参考URL＞

帝国データバンク

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p090101.html

1. 287店舗　ダイナムグループ

2. 229店舗　マルハングループ

3. 184店舗　ガイアグループ

4. 52店舗　123グループ（延田グループ）

5. 52店舗　キョーイチグループ

6. 46店舗　太陽グループ

7. 43店舗　夢屋グループ

8. 41店舗　ニラクグループ

9. 38店舗　ライジンググループ

10. 37店舗　ひまわりグループ

11. 36店舗　ABCグループ

12. 34店舗　イーグルグループ

13. 34店舗　ピーアークグループ

14. 34店舗　トワーズグループ

15. 33店舗　宇宙センターグループ

期	年	資本の部	総資本	売上高	店舗数	機械台数	経常利益	社員数	パート・ アルバイト数	従業員 合計
		百万円	百万円	百万円	店	台	百万円	名	名	名
27	99	13,507	70,551	238,625	59	22,990	5,799	1,302	1,582	2,884
28	00	13,981	74,428	289,737	66	26,777	5,856	1,426	1,586	3,012
29	01	15,876	80,771	389,978	85	35,992	8,549	1,515	1,868	3,383
30	02	19,350	85,435	575,886	113	50,023	8,111	1,961	2,634	4,595
31	03	21,717	99,738	363,349	121	56,659	6,363	2,048	3,086	5,134
32	04	30,907	112,021	928,123	140	69,478	20,580	2,334	2,981	5,315
33	05	40,248	140,172	1,277,832	166	85,123	21,482	2,748	4,555	7,303
34	06	51,104	162,607	1,639,939	186	101,747	26,891	2,888	5,540	8,428
35	07	65,586	202,531	1,814,911	209	118,451	32,294	3,447	5,713	9,160
36	08	79,651	242,232	1,838,157	225	134,914	33,961	3,668	6,789	10,457
37中間期		86,596	247,441	1,007,345	234	141,801	20,101	4,310	7,215	11,525