平成20年12月19日(金)
106−237 鈴木 龍也
正村ゲージが果たした役割
1.正村ゲージとは
第2次世界大戦後に名古屋で遊技場を経営していた正村商会の正村竹一氏が1948年に考案したゲージ構成のこと。
→ゲージとは、釘の配列と風車[1]や役モノの盤面構成全体を指すもの。
○正村氏は、それまで等間隔であった釘の配列を根本的に考え直し、「天釘」[2]「はかま」[3]「落とし」[4]などを発明した。
→玉の運動性を楽しむ、玉の滞留時間を長くする目的。
これとは別に、裏の玉の払い戻し数や、補給メカニズムまでも発明する。
2.「スランプ」という考え方
これまで入賞穴にコンスタントに入り続けていたのにもかかわらず、ある瞬間から嘘のように入ら無くなりあっという間に玉が減る、又はその逆の現象のことを言う。
→これにより、客が退屈せずにゲームに集中し続けることが出来る。
○正村ゲージでは「台の傾斜」「釘の角度」「板の調整」の3つの要素を重視。
・板→釘を打ち込む盤面のこと。これの素材に硬いブナの木を用いた。これによりその振動や反発がスランプの要因となる。
・傾斜と釘→台を少し寝かせ、釘の角度も上げることによって、玉が釘によく絡んで斜め左右に変化し、入賞穴に意外な入り方をするように調整した。
→現在もこのような調整の仕方が続いている
<参考文献>
佐藤 仁『パチンコの経済学』東洋経済新報社2007年3月