平成211127

オタクの消費の分析(5

106-106 奥出拓摩

 

まとめ

支出額という金銭的な側面に焦点を当てて、オタクユーザーの動向を分析した。重回帰分析が示すように、月支出額は、年齢・小遣い額・頻繁な買い物による影響が大きく、オタク消費特有の特徴はなかなか見られなかった。しかしながら、いくつかオタク消費特有の変数も確認された。アニメというジャンルの重要性、情報源として何を利用しているか、ネットショッピングとの併用は、オタク消費を説明する重要な要因であるといえる。例えば、アニメDVDを主に買うユーザーと、ゲームソフトを主に買うユーザーとでは、趣味嗜好や購買行動が異なるはずである。

一方、「創作活動をするユーザーはより多く消費する」という仮説については、統計的なサポートを得ることはできなかった。重回帰分析において創作活動経験の標準化係数が0.000(有意確率0.994)であることから、月支出額に全く影響を与えていないことが確認された。もちろん、単純集計レベルでは、創作活動をしている人の支出額は多い傾向にあるのだが、それは平均年齢と小遣いの高さに大きく影響された結果であり、創作活動自体がもつ効果ではないと結論づけられる。

 

 

 

参考文献

メディアクリエイト(2007)『2008 オタク産業白書』株式会社メディアクリエイト