平成211030

オタクの消費の分析

106-106 奥出拓摩

 

はじめに

ここでは、いわゆるオタク関連商品に対する支払い行動を説明していく。対象となる商品群は、アニメ(DVDCD/グッズ類)、コミック・ライトノベル、ゲーム、フィギュア、同人誌・同人作品、コスチュームである。これらの商品群は、関心のない人にとってはほとんど価値を持たない一方で、関心の高い人にとっては非常に大きな価値を持つものである。非常に高額な支払いをするといった購買行動は、他の一般消費財とは一線を画している。そこで、日本のオタク関連商品のユーザー1510人に対してアンケート調査を行い、その支払い行動について定量的に分析をするという試みを行いたい。しかし、この種の研究は近年始まったばかりであり、成熟した手法によって仮説を検証するという厳密な調査アプローチをすることはできない。ここで行う調査分析は、まずユーザーの実態をそのまま記述するという試行的なものである。

 

支出額に関する記述統計

高い支払単価がオタク市場の特徴といわれているが、その金額はどれほどのものか検証する。月当たりの小遣いの平均金額は約46,000円であるが、度数分布をみると5万円と3万円にピークがあることがわかる。月支出額については、平均21,000円ほどであるが、最頻値は1万円であり、それに続いて2万円、3万円、5,000円が頻度の高い回答となっている。

月支出額を小遣いで除した数値をみてみると、小遣いの半分(0.5)をオタク関連商品の購入にあてている人が多いことがわかる。中には小遣いのほとんどをあてている人もおり、小遣いに対する支出割合は総じて高いことがうかがえる。

 

表:記述統計

 

度数(人)

最小値

最大値

平均値

標準偏差

年齢

1,510

10

63

25,5

8.895

小遣い

1,510

1,000

600,000

46,367

47380

月支出額

1,510

0

350,000

21,726

26249

月支出額/小遣い

1,510

0

1

0.527

0.281

買い物回数(月)

1,510

0

31

5.91

5.274

買い回り店舗数

1,495

0

20

3.77

2.396

 

性別

男性

女性

 

 

 

 

 

1,506

1,416

90

 

 

 

 

 

 

94%

6%

 

 

 

 

 

職業

小中学生

高校生等

大学生等

会社員等

自営業等

バイト等

その他

1507

67

232

324

567

77

188

52

 

4%

15%

22%

38%

5%

13%

3%

 

 

 

参考文献

メディアクリエイト(2007)『2008 オタク産業白書』株式会社メディアクリエイト