平成21925

同人誌市場

106-106 奥出拓摩

 

同人誌市場の範囲と定義

現在、同人誌とはオリジナル(一次創作)作品のほか、既存のコミック、アニメ、ゲーム等を題材とした二次創作作品の自費出版物を指す。出版社取次書店という流通にのるものではないため、一般の書店や小売店では購買できない。

同人誌の配布・販売経路を整理する。

@同人誌即売会での配布

Aダウンロード販売

B専門書店での委託販売

上記ABに関しては、他のカテゴリーと同様に流通・小売店へのヒアリングをベースに市場規模を推計した。

@に関しては、同人誌は頒布されるものであり、一般的な商行為が成立するものではないとされている。ただし、金銭が動いているのも事実であり、これを疑似的な市場とみなして市場規模を推計した。こちらは各種の資料を参照、識者へ取材した結果からの推計となる。

 

同人誌市場の規模と推移

2007年の市場規模は277.3億円である。うち即売会が103.7億円、DL販売が39億円、書店委託が134.6億円となっている。2006年の同人誌市場全体の規模は237.7億円である。内訳は、即売会が90億円、DL販売が33.8億円、書店委託が113.9億円となる。即売会よりも書店委託が大きいことが特徴である。

どの経路においても、前年比115118%と高い成長率であり、市場は拡大している。

 

 

 

2006

2007

即売会

90.0

103.7

DL販売

33.8

39.0

書店委託

113.9

134.6

全体

237.7

277.3

 

 

 

参考文献

メディアクリエイト(2007)『2008 オタク産業白書』株式会社メディアクリエイト