平成21年9月25日
同人誌市場
106-106 奥出拓摩
同人誌市場の範囲と定義
現在、“同人誌”とはオリジナル(一次創作)作品のほか、既存のコミック、アニメ、ゲーム等を題材とした二次創作作品の自費出版物を指す。出版社→取次→書店という流通にのるものではないため、一般の書店や小売店では購買できない。
同人誌の配布・販売経路を整理する。
@同人誌即売会での配布
Aダウンロード販売
B専門書店での委託販売
上記ABに関しては、他のカテゴリーと同様に流通・小売店へのヒアリングをベースに市場規模を推計した。
@に関しては、同人誌は頒布されるものであり、一般的な商行為が成立するものではないとされている。ただし、金銭が動いているのも事実であり、これを疑似的な市場とみなして市場規模を推計した。こちらは各種の資料を参照、識者へ取材した結果からの推計となる。
同人誌市場の規模と推移
2007年の市場規模は277.3億円である。うち即売会が103.7億円、DL販売が39億円、書店委託が134.6億円となっている。2006年の同人誌市場全体の規模は237.7億円である。内訳は、即売会が90億円、DL販売が33.8億円、書店委託が113.9億円となる。即売会よりも書店委託が大きいことが特徴である。
どの経路においても、前年比115〜118%と高い成長率であり、市場は拡大している。
|
2006年 |
2007年 |
即売会 |
90.0億 |
103.7億 |
DL販売 |
33.8億 |
39.0億 |
書店委託 |
113.9億 |
134.6億 |
全体 |
237.7億 |
277.3億 |
参考文献
メディアクリエイト(2007)『2008 オタク産業白書』株式会社メディアクリエイト