平成21年7月24日
フィギュア/キャラクターグッズ市場(2)
106-106 奥出拓摩
市場展望
フィギュア市場は堅調であるといえよう。しかし問題がないわけではない。この市場は、商品供給過多が進みオタクの購買選択肢が増加した結果、クオリティが高くないと売れないのが現状である。市場はすでに成熟している。ユーザー数は一定であり、商品は飽和状態であるといえる。今後は、適切な商品供給が重要となってくる。
メーカー側から見れば版権事業は、商品化に時間がかかる。コンテンツ、キャラクターそのものが短命化している現状では、商品化した時点でキャラクターの寿命が終わっていることもありうる。定番キャラクター以外のものは、ユーザーの動きを見定めることがますます重要となるであろう。
これらの問題点は概ねキャラクターグッズにも当てはまる。さらにグッズは単価の安さから、メインユーザーは中高生である。少子化が進むにつれて、ますますビジネス環境が厳しくなることは明らかである。確かにPCゲーム系の美少女キャラがグッズ化されたり、Tシャツなどのアパレル関連の商品が増えたりと、大人向けの商品が増加し、それぞれ好調ではある。しかし、低年齢層での市場縮小を埋めるまでには至っていない。
表:メーカー&ユーザー動向と課題
メーカー動向 |
課題 |
@ 市場の認知 |
― |
A 新規参入の増加 |
商品購入過多 |
B ライセンス許諾の増加 |
商品の多様化 |
C キャラクターの多様化 |
商品の短命化 |
ユーザー動向 |
課題 |
@ 商品の増加 |
収集の困難化 |
A 選択肢の増加 |
購入基準高度化 |
参考文献
メディアクリエイト(2007)『2008 オタク産業白書』株式会社メディアクリエイト