平成21724

フィギュア/キャラクターグッズ市場(2

106-106 奥出拓摩

 

市場展望

フィギュア市場は堅調であるといえよう。しかし問題がないわけではない。この市場は、商品供給過多が進みオタクの購買選択肢が増加した結果、クオリティが高くないと売れないのが現状である。市場はすでに成熟している。ユーザー数は一定であり、商品は飽和状態であるといえる。今後は、適切な商品供給が重要となってくる。

メーカー側から見れば版権事業は、商品化に時間がかかる。コンテンツ、キャラクターそのものが短命化している現状では、商品化した時点でキャラクターの寿命が終わっていることもありうる。定番キャラクター以外のものは、ユーザーの動きを見定めることがますます重要となるであろう。

これらの問題点は概ねキャラクターグッズにも当てはまる。さらにグッズは単価の安さから、メインユーザーは中高生である。少子化が進むにつれて、ますますビジネス環境が厳しくなることは明らかである。確かにPCゲーム系の美少女キャラがグッズ化されたり、Tシャツなどのアパレル関連の商品が増えたりと、大人向けの商品が増加し、それぞれ好調ではある。しかし、低年齢層での市場縮小を埋めるまでには至っていない。

 

 

表:メーカー&ユーザー動向と課題

メーカー動向

課題

@ 市場の認知

A 新規参入の増加

商品購入過多

B ライセンス許諾の増加

商品の多様化

C キャラクターの多様化

商品の短命化

ユーザー動向

課題

@ 商品の増加

収集の困難化

A 選択肢の増加

購入基準高度化

 

 

 

参考文献

メディアクリエイト(2007)『2008 オタク産業白書』株式会社メディアクリエイト