平成21619

コンシューマー/PCゲーム市場(2

106-106 奥出拓摩

 

要素分析

オタク層が好むゲームの特徴はどこにあるのか。結論から言ってしまえば、

 キャラクター(イラスト・声)

 ストーリーや世界観

を非常に重視している点である。さらにその両方に関わることとして、クリエーターの意義も大きい。キャラクターデザインが彼だから”“彼女がシナリオを書いたからといった、クリエーターリスペクトによる購入も多い。

逆に、システムや操作性などは最低限の機能を備えていればよい。一般のゲーム(特にアクション性の強いタイトル)にみられる爽快感”“上達感といった感受的要素も、重要度は低いといえる。

もうひとつ特徴的なのは、オタクにはコレクター気質の高い人が多く、「そのコンテンツ(作品)が好きだから、ゲーム買う(手元に置いておきたい)」といった、集めることが主で、ゲーム内容は従というケースも珍しくないことである。ゲームからアニメへ、コミックからゲームへ、さまざまなメディアミックスが盛んであるがゆえ、ゲーム単体で捉えるのではなく、コンテンツ全体を楽しむという形ができあがっているのである。

誤解されがちなのは、いわゆる萌えキャラだけで売れるという認識である。もちろん、キャラクターが重要であることは正しいが、それだけではない。顕著な例として、『ひぐらしのなく頃に』がある。小売店の人は、「これまでの経験上で言えば、見た目的に売れる要素を備えてなかった」と話す。しかし実際はヒットした。見た目以外の、世界観や舞台設計、ストーリーなどがヒットを生み出したのである。泣きゲーと呼ばれる、シナリオに定評のある作品が人気なことも、同様の理由からである。

 

 

 

参考文献

メディアクリエイト(2007)『2008 オタク産業白書』株式会社メディアクリエイト