平成21年4月24日
アニメーション放送
106-106 奥出拓摩
アニメーション産業の概要
まず、アニメは大きく2つのタイプに分けられる。土曜日、日曜日の午前中や、17〜19時台に多く放送されるファミリー向けアニメと、主に深夜に放送される青年向けのアニメの2つである。これらは同じアニメの範疇にはいるものの、そのビジネススキームは大きく異なる。最もその形を異にする点はアニメ製作費の回収方法である。
製作費の大部分を、キャラクター版権ビジネスによって回収するファミリー向けアニメに対し、青年向けアニメは映像そのもの、つまりDVDの売り上げによって製作費を回収するという形が一般的となっている。
子供向けの玩具、文具、雑貨などの販売を目的とするファミリー向けアニメにおいては、より広くキャラクターを認知してもらい、できるだけ多くの購買者を獲得する必要がある。そのために視聴率の取れるゴールデンタイムや、土日にアニメを放送することが重要となる。
一方、DVD販売に重きを置く青年向けアニメビジネスは、事情が異なる。アニメファンはコアオタク層からライトオタク層まで数多く存在するが、アニメ放送を見るだけでなく、その映像を‘購入’したいと考える層となると、ターゲットはよりコアな層へと絞られる。
コアなアニメファンは、目当ての作品があればたとえそれが深夜であろうと、積極的に時間帯を調べ視聴(録画視聴)するものである。アニメを放送するためには放送権をテレビ局から購入する必要があるが、深夜に関してはここにかかるコストをかなり低く抑えることができる。つまり、深夜のアニメは視聴率こそ取れないが、比較的安価に、意図したターゲットへ効率よく番組を届けることができるのである。
参考文献
メディアクリエイト(2007)『2008 オタク産業白書』株式会社メディアクリエイト