平成201010

オタク市場の概要

 

オタク人口と市場規模

オタク市場をコミック、アニメ、芸能人、ゲーム、組み立てPC、クルマ、AV機器、ITガジェット、旅行、ファッション、カメラ、鉄道の全12カテゴリーとする。市場の人口および市場規模は、12カテゴリー全体で、重複を含めて172万人、4110億円となる。この推計は20048月に野村総合研究所が実施したインターネットアンケート調査(10,002サンプル)「趣味やこだわりに関する生活者調査」を基礎データとしている。市場規模の推計にあたっては、各業界の有識者へのヒアリング調査、統計資料、類似データ(たとえば、芸能人オタクであれば特定アイドルのファンクラブ会員数)なども参考にしている。なお、一個人が複数分野のオタクであるケースも存在するため、市場規模は重複を含めたものである。

 

オタク分野間の関係

オタク市場の12カテゴリーの関係を示したとき、この12カテゴリーは大きく「コンテンツ系」「旅系」「メカ系」に分けることができる。それぞれ「コンテンツ系」はコミック、アニメ、芸能人、ゲーム、「旅系」は旅行、鉄道、「メカ系」は組み立てPC、クルマ、AV機器、ITガジェットに分けられる。

これらオタクカテゴリーは必ずしもそれぞれが独立した存在ではなく、興味の広がりや中間的な趣味領域の形成を通じて、互いに重なりあっている。たとえば、アイドルオタクが、アイドルの写真を撮るために高性能のカメラを次々と購入したり、撮影方法の研究を行ったりするうちに、カメラオタクになってしまうケースがこれにあたる。このような現象がみられるのは、オタクが「凝り性」であるがゆえ、ある分野のテーマに興味を持つうちに、その追求手段であったほかの分野にも熱中してしまうからと思われる。また、コンテンツビジネスでは、1つのテーマやキャラクターが、コミック、アニメ、映画、音楽、ゲームなど、複数の分野で作品化されることが多く、そのファンは必然的に複数の分野に接触しなければならないことも、オタクが複数分野にわたってしまう要因の1つである。

 

 

分野

人口

市場規模

コミック

35万人

830億円

アニメ

11万人

200億円

芸能人

28万人

610億円

ゲーム

16万人

210億円

組み立てPC

19万人

360億円

クルマ

14万人

540億円

AV機器

6万人

120億円

ITガジェット

7万人

80億円

旅行

25万人

810億円

ファッション

4万人

130億円

カメラ

5万人

180億円

鉄道

2万人

40億円

合計

172万人

4,110億円

 

 

 

参考文献

野村総合研究所オタク市場予測チーム(2005)『オタク市場の研究』東洋経済新報社