平成20年10月3日
「聖地」
「聖地」とは、「聖なる場所」、「信仰の対象となるような場所」のことで、「聖地巡礼」とは、そこを聖地だと崇める人たちが、自らの信仰を高めるため、あるいは信仰を高めるため、その場所へ(困難を克服して)訪れることである。
同人関係者が、「コミケ」が開催される「東京ビッグサイト」をそう呼んで訪れたり、アニメファンなどが好きなアニメ作品に登場する場所、モデルとなった土地をそう呼んだり、あるいは「秋葉原」や「乙女ロード」をそう呼ぶ場合もある。
マンガファンや、オタクの目立った「聖地」の最初のケースとしては、東京の豊島区南長崎にあったアパート「トキワ荘」(1952年12月6日〜1982年11月29日)が有名である。漫画家手塚治虫の1953年の入居を皮切りに、駆け出し時代の石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄、水野英子、つげ義春、つのだじろうといったそうそうたる著名漫画家が多数入居していた。それら漫画家が有名になると、「漫画家の聖地」さらには「漫画の聖地」となり、存在を知る者が見物に訪れることが多かった。
アニメ「美少女戦士セーラームーン」に登場した麻布十番と、作品中に登場するキャラ、火野レイ(=セーラーマーズ)の住む「火川神社」のモデルとなった「氷川神社」が有名である。神社ということもあり、コミケ帰りのセーラームーンファンが大挙して押しかけ、キャラの絵を描いた絵馬を大量に奉納した。その様子は当時のアニメ雑誌だけでなく、一般のマスコミの大きく報道するほどムーブメントとなっていた。
2007年にはアニメ「らき☆すた」に登場する柊姉妹の住む神社のモデルとなった埼玉県鷲宮町の鷲宮神社が注目を集め、ファンが殺到した。2007年12月2日には、聖地化されていた鷲宮神社で公式参拝(らき☆すた原作者やアニメ声優などが参加するイベント)が開催され、記念グッズの発売や町ぐるみのサービス、記念碑の設立などが行われ、熱烈なファン3,500人が集まった。翌2008年には、鷲宮神社の初詣の参拝数が、前年の13万人から30万人に膨れ上がり、萌えを使った町おこし、「萌えおこし」のモデルケースとしても注目を集めた。
その後、作品に登場する柊一家を鷲宮が「住民登録」し、住民票交付を行ったことや、2008年9月7日に開催された、毎年恒例のお祭り「土師祭」に「らき☆すた」キャラの描かれたアニメ神輿(痛神輿)が登場し、前年比約2万人増となる約5万人が訪れ賑わうなど、大きな話題となった。
参照
同人用語の基礎知識:http://www.paradisearmy.com/doujin/index.html
アニメ&コミック聖地(舞台・モデル)マップ:http://homepage3.nifty.com/hitopon/hito_google_maps_anime_comic-holyplace.html
自分を元気にするプロジェクト:http://yosino.sakura.ne.jp/tabi/index.html