平成20年6月20日
心理性オタク(2)
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収集欲求
こだわりがある対象に関する情報や商品やグッズは、すべてそろえないと気がすまない、そろえることにより優越感を感じるという心理。趣味をやめたいと思ってもやめることができないという強迫観念を伴う傾向にあり、対象に対するこだわりの強さ、理想像への引力の強さを直接表す因子であるといえる。
A
共感欲求
自分のこだわりの対象に関して、そのよさを他の人にも知ってもらいたい、趣味の仲間を増やしたいという心理。また、自分自身も世間から注目されたり、理解されたりしたいという欲求も同時に含む因子である。
B
自律欲求
こだわりのある趣味に対し自分なりの評価の基準や解釈を持っており、他人にどう思われようと自分の考えに基づいて物事を判断したいとする心理。同時に、こだわりの対象に対する知識欲も高く、自己の確立を趣味へのこだわりを通じて達成しようとする傾向が見られる。
C
帰属欲求
価値を共有できる集団を形成し、その集団へ帰属することを強く求める心理。自分の趣味に関しては、多くの人から理解されなくても気の合った仲間さえわかってくれればよいという内向きに働く心理も含まれる。しばしば、趣味の世界には、法律のような社会のルールと相容れないルールがあると認識し、世間に対し微妙に距離をとる傾向も見られる。
D
顕示欲求
自分なりに集めた情報や作品の解釈・批評を、インターネットなどを用いて発信したいという心理。自作のホームページの作成、電子掲示板やブログの書き込み、チャットルームでの会話などの行動が伴う。
E
創作欲求
こだわりのある分野に関連し、自己流の解釈に基づいたカバー作品を創作したり、まったくオリジナルの作品を創作したり、自己流の改造を加えるなどの創造・創作活動を行うことへの欲求心理。同人誌の作成などが例。
参考文献
野村総合研究所オタク市場予測チーム(2005)『オタク市場の研究』東洋経済新報社