平成20年5月23日
オタクの行動様式
106-106 奥出拓摩
高水準の消費
オタクは、こだわりのある分野の商品やサービスが欲しくなると、それが自分にとって高額であろうと、他の商品やサービスへの支出とは区別して支出する傾向がある。いいかえれば、理想へ近づくためには「金に糸目をつけない」傾向がある。また、支出に関しては、その分野のオタクである限り何年でも消費を続けるため、一般的な消費者と比べると、その分野に対する生涯総支出額が高い。
新たな価値の創造
オタクは商品やサービスへの消費だけでなく、自分のこだわりのある分野については、自分なりの解釈や考えを積極的に表現する傾向がある。その範囲は、自分のこだわりのある対象についての解釈に始まり、それらの解釈の体系化(理論化)や、さらには自分なりの補完や創造による創作活動にまで及ぶ。そのため、こだわりのある対象物の正規の事業者による情報や商品の供給だけでなく、ユーザー側からの情報提供や創作活動によっても新たな価値が付加され、さらに内容が発展していくという効果がある。
積極的な情報発信
ネット上でコミュニティを形成するようになったオタクは、幅広く情報収集や情報交換を行っている。その結果、オタクのコミュニティでは、数々の情報や評価などが、集積、更新されるようになる。そして、このオタクによって生み出される情報が、口コミ情報として非オタクへ伝播し、市場全体に影響を与えるという流れも出てきている。
参考文献
野村総合研究所オタク市場予測チーム(2005)『オタク市場の研究』東洋経済新報社