平成20425

オタクの語源とイメージの悪化

106-106 奥出拓摩

 

「オタク」の語源

「オタク」という言葉は軽い敬称である「お宅」からきている。「オタク」という言葉をはじめに使い始めたのは『超時空要塞マクロス』を作ったスタッフだと言われている。制作者間でお互いを「おたく」と呼び合っていることや、『マクロス』の登場人物にも「お宅」と呼び合わせていることから、まずSFファンの間で「オタク」という言葉は広まった。また、「お宅」という言葉は相手への軽い敬称を表す言葉でもあるため、初対面の人と話すときに便利なものでもあった。

 

オタクのイメージ悪化の原因 「宮崎事件」

事件概要

正式には東京・埼玉少女連続誘拐殺人事件という。この事件は、3歳から7歳という低い年齢の女児が被害者となった、児童への性的虐待を目的とした誘拐・殺人事件である。挑戦状を送りつけたり、野焼きされた遺骨を遺族に送りつけたりするなどの、極めて異常な行動を犯人が取ったことから、事件当時から激しい報道合戦が繰り広げられた。

そして1989723日、この事件の犯人である宮崎勤が別の猥褻事件で逮捕された。宮崎の自宅を捜索した警察は「5763本ものビデオテープ」を押収し、分析した結果、被害者幼女殺害後に撮影したとみられる映像を発見した。後に宮崎の供述により遺体が発見されたため一連の事件の犯人として起訴された。

 

この事件で宮崎がオタクとして報道されたことから、同様の趣味を持つ人に対して偏見が生まれた。これには報道の影響が大きく、各メディアが宮崎の異常性の見られる性格を強調し、あからさまな社会的嫌悪感を煽ったものもいくつも見られた。それまではオタクの存在は水面下では知られていた程度であった。オタクの存在が初めて世間に露呈したのがこの衝撃的な事件であったためにオタクに対するイメージは極端に悪化した。

 

 

 

参照

岡田斗司夫(1996)『オタク学入門』太田出版

ウィキペディア[おたく]:http://ja.wikipedia.org/