国境論争と絵図
21年11月20日
守屋秀之
◎論争と絵図の関係
・新田開発を計画するときには、予定地の状況を見分けした絵図や目論見の絵図が作られる。そして、実際に訴訟が起こされると、双方が立ち会って立会絵図が作られる。その時点では双方の主張は対立しているので、かぶせ絵図などの形でそれを反映したものが作られたりする。自分たちの主張を反映した独自の絵図を作って提出することもあった。
評定所の審理では、これらの絵図を参考にして進められるが、時には幕府に提出された国絵図やかつての状況を示した絵図なども参考にされた。裁判が終わると裁許の内容を記した絵図が作られ、裏書をして双方に渡される。内済が命じられた場合にも、現地で絵図が作られることもある。これらは権利を保障する重要書類なので、大切に保存された。こうした絵図は現在まで各地に残されている。
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ぼう示・・・所領などの土地の四方あるいは境界のうち重要な地点に立てた掲示のこと。寺社の境内の境界や一円支配が確立した荘園の排他的権利の及ぶ範囲の境界線として立てられた。通常は木や石で作られた柱が用いられた。中世では朝廷の権威が物理的な強制力を持つものではなかったためぼう示の力は絶対的ではなかった。そのため、領主などは絵図などを作って合わせて証拠とする必要があった。
参考資料
池田家文庫貴重資料展
http://lib/okayama-u.ac.jp/ikeda/exhibition/2002/#3
ウィキぺディア http://ja.wikipedia.org/wiki