江戸時代の職業事情B
22年11月5日
守屋秀之
【江戸時代にもあった人材派遣業「桂庵」】〜その名の由来と、江戸時代の派遣業の実態〜@
・日本の派遣労働者は今や300万人を越え、新しい働き方として注目を集めている。近代的な人材派遣システムが日本に導入されたのは1960年代だが、日本の人材派遣そのものの歴史は意外と古く、江戸時代にはすでに「桂庵」と呼ばれる人材派遣業者が多く存在していた。
●その名の由来と主な仕事内容
・今から大体300年ほど前の承応年間(1644〜1654)江戸の京橋に大和桂庵という町医者が住んでいた。この桂庵は医者なので、あちこちの商家やお屋敷に出入りしているうちに、嫁探しや婿探しを頼まれるようになった。仕事柄顔が広かった桂庵は、豊かな人脈をフル活用して縁談を次々まとめていった。
やがて桂庵は縁談のほかに、奉公人探しや、なんと妾探しまでも頼まれるようになった。また逆に働き口を求める人々も桂庵のもとへ集まり始め、いつに間にか桂庵は本業の医者よりも縁談や職業紹介の名人として広く知られるようになった。
その後江戸では人材派遣を行う私設職業紹介業者が増えていったが、彼らは元祖とも言える町医者の名前にちなんで「桂庵」と呼ばれるようになったといわれている。
参考資料
http://kosaido/com/column/column_detail4/
http://ja.wikipedia.org/wiki