平成20826

               ニンテンドーDSがヒットした理由

105-370       中川 正隆

1.      始めに

200412月に発売された「ニンテンドーDS」は、200710月までに「ニンテンドーDS Lite」と合わせて売上が2000万台を突破した。また、2000万台を突破しても失速せずにいる(「ファミリーコンピュータ」が最終的に1935万台、「プレイステーション」、「プレイステーション2」も2000万台を越えたら失速している。)。

 

2.      ヒットの理由

「ニンテンドーDS」がヒットした理由は、独特の高機能、パーソナル機器であること、競合相手がいないこと、新たな需要の開拓があげられる。

 

     独特の高機能

「ニンテンドーDS」は上と下の2つのディスプレイでゲームができ、2つのディスプレイが連動して動く。また、下のディスプレイはタッチペンで書き込むことでゲームを動かす事ができる。タッチペンのおかげで、文字を書いたり、ボールをドラッグしたり、様々な操作が行えるようになった。

 

     パーソナル機器であること

テレビに接続するゲーム機は一家に1台あれば十分で、それ以上あると邪魔になる。一方、「ニンテンドーDS」は個人に1台で、子供が2人いれば2台売れる。そのため、売上をのばすことができた。

 

     競合相手がいないこと

「ニンテンドーDS」には、独特の高機能のおかげで、本来ならライバル関係となるはずだった「プレイステーションポータブル」とは、ライバル関係にはならなかった。「ニンテンドーDS」は脳トレをやるために買ったユーザーが多く、また、お料理ナビなどのゲーム性の全くないソフトも発売されている。そのため、ゲームではない新しいソフトを使うための機械という認識もある。

 

     新たな需要の開拓

「ニンテンドーDS」はタッチペンで簡単に操作できるため、ゲームをやることに抵抗のある世代にも抵抗なく受け入れられた。このことが売上2000万台突破の最大の要因となっている。

 

3.      ニンテンドーDSヒットによって

ソフトメーカーは制作したソフトをより多く売るために、最も売れているゲーム機でソフトを発売する。また、発売されているソフトが増えるため、そのゲーム機の市場は大きくなり、ゲーム機の市場が大きくなることによって、発売されるゲームが増えるというループを繰り返すため「ニンテンドーDS」の市場は自然と大きくなっていく。

 また、「ニンテンドーDS」はソフトメーカーにとって、とても開発しやすい環境となっている。「ニンテンドーDS」向けのソフトは数千万程度で開発でき、ゲームというくくりではなく、いろいろな分野でソフトを開発できるようになった。そのため、大手ソフトメーカーだけでなく、弱小ソフトメーカーでもアイデア次第で大ヒットをとばすことが可能になった。しかし、ソフトはたったの4メガバイトしか容量がないので、単純な機能に絞り込むしかなく、アイデアでしか勝負できない。そのため、アイデアが出なくなったソフトメーカーは打つ手がなくなる。

 

 

参考文献

溝上幸伸(2008)『任天堂Wiiのすごい発想』ぱる出版