平成20年7月18日
ゲームレンタル
105-370
中川 正隆
1.
ゲームレンタルとは
コンピュータゲームをレンタルビデオ形式で貸し出すサービスで、南北アメリカ大陸やイギリスでは広く実施されている。しかし、日本では1984年の著作権法改正以降は事実上禁止され、一部メーカーが試験的に導入しても定着しない状態が続いている。
アメリカではブロックバスターズビデオなどの大手ビデオレンタル店でゲームを借りることができる。また、Ggmeflyなどのオンラインゲームレンタルサービスではオンライン上で借りるゲームを選択し、郵送で届き、遊び終わったら送り返すといった仕組みのサービスもある。
2.
日本のゲームレンタルの歴史
1983年に任天堂が「ファミリーコンピュータ」を発売したのに前後して、全国各地でマイコンショップが主にパーソナルコンピュータ用のゲームレンタルを開始した。しかし、こうした店はレンタルとは名ばかりで、顧客がカウンターにゲームのタイトルが書かれた貸出票を持っていくと、店員がその場でフロッピーディスクやテープメディアにコピーして渡すという違法コピーが横行していた。
その後、1984年に日本レコード協会他と日本レコードレンタル商業組合の間で、レンタル条件に関する合意が形成された。それに伴い著作権法が改正され、貸与権が創設されたと同時にメーカー側は刑事・民事両面での対策を進め、1986年にはソフマップにレンタル禁止の仮処分命令が下された。
これに対し任意団体・日本マイコンソフトレンタル協会を創設して、メーカー側との協議を模索する動きも存在した。しかし、メーカー側はレンタルは違法コピーの温床との主張を崩さず協議を一切拒否し、1988年の頃には潜りの店舗を覗いて日本におけるゲームレンタルはほぼ壊滅状態となった。
1990年にSNKが発表した「ネオジオ」では、MVSと呼ばれるゲーム筐体やソフトウェアカートリッジをゲームセンターやスーパーマーケット向けにリースしたほか、同等の機能を持つゲーム機をレンタルビデオ店のネットワークなどで家庭向けにレンタルした。しかし、SNKは推し進めた徹底したマニア路線は高価であっても購入したいという消費者層を引き付け、本体やソフトウェアの一般向け販売も平行しておこなわれるようになり、本体レンタルは1994年の「ネオジオCD」発売の頃まで継続していた。
1999年にセガは「ドリームキャスト」が発売後1年を経ても本体の売上低迷が続いたことから、テコ入れ策としてTUTAYAと提携して、同機用ソフトのレンタル事業を開始した。しかし、その実施に際してはコンピュータソフトウェア著作権協会やコンピュータエンターテイメントソフトウェア協会に対する根回しは一切行われずスタンドプレー的に立ち上げられたと言われ、このことは日本のゲーム業界がレンタルに対して極度の拒否反応を有していることを示すエピソードに1つとなっている。セガのレンタル事業は周辺機器が必要なソフトもレンタルされていたのにもかかわらず、肝心の周辺機器はレンタル対象外という不備も目立ち、サービス開始から1年も経たないうちに終了した。
ドリームキャストのレンタル後、長らく日本でのゲームレンタルは表立った動きは見せなかったが、コーエーの物流・販売子会社であるコーエーネットがゲームレンタルサービスであるRentaNetの試験サービスを2006年5月25日より開始した。実店舗形式で
3.
日本でゲームレンタルが定着しない理由
日本でゲームレンタルが定着しない理由として以下のようなものがある
・
ゲームソフトは長時間にわたって楽しまれることが多い
最近のゲームはクリアするまでに時間のかかるものが多く、レンタル期間内にクリアする事が難しい。
・
メーカーがレンタルに消極的である
今のゲーム業界は、発売後しばらくしたソフトは廉価版として価格を下げてうるのが一般的となっている。そのため、レンタルの普及は廉価版の販売を落ち込ませる可能性が指摘されている。レンタル事業に協力する事を表明しているメーカーでも自社の主力タイトルはレンタルに出さず、廉価版でも売上が見込めないゲームをレンタルとして出すケースがある。
参考文献
橘寛基(2006)『最新ゲーム業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』秀和システム
参考URL
Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%AB
「ゲームレンタル」って利用したいですか?
http://blog.goo.ne.jp/oko-bou/e/70417fc3ce2812a476c148fd25f0132d/?ymd=200604&st=0