平成20年4月25日
ゲームと犯罪の因果関係
105-370 中川 正隆
1.初めに
ゲームと犯罪の因果関係の考えには2種類ある。1つは「ゲームをすることにより犯罪障壁さがり犯罪を犯す」という犯罪増加説と「ゲームが代償行為となり犯罪を犯さなくなる」という犯罪減少説だ。
2.犯罪増加説
この考え方の根拠となっているのは、犯罪を犯した少年が暴力的または残虐なゲームにはまっていたことだ。2000年8月、高1の少年が隣の家の家族を6人殺傷した事件を残虐なゲームの影響を原因とし、2005年6月、板橋で両親を殺した少年の場合は、『グランド・セフト・オートV』の影響が原因とされている[1]。『グランド・セフト・オートV』(Rockstar Games発売。発売日:米2001年10月22日、国内2003年9月25日。売上:世界800万、日本30万)というのは日本でもっとも有名な残虐なゲームで、ゲーム内で人間を無差別に殺したり、バット片手の老人を襲い強盗三昧の人生をおくったりすることもできる。
3.犯罪減少説
これは、人はゲームをすることによって、現実では満たすことのできない欲求をゲームの中で満たし犯罪を起こさなくなるという説だ。例えば、シューティングゲームなどで敵の装甲をはがし、撃墜することは破壊衝動の代償行為になる。実際に人を殺したいという願望を持っている人間が、暴力的または残虐なゲームをすることによって、自己の願望を満たして犯罪を犯さないことが考えられる。
4.まとめ
以上の2つの説は決定的な証拠が無く、仮説の域でとどまっている。ゲームと犯罪の因果関係を証明するには、十分なサンプルと様々なゲーム以外の要因の調査が必要になる。「暴力的なゲームをプレイすると攻撃的なる」という研究結果[2]があることから、犯罪に全く関係ないとはいえない。また、アメリカでは『doom』(is
Softwareが発売したFPS)という残虐ゲームが発売されてから10年で若者の殺人罪での検挙率は77%減少し、日本でもゲームが普及してから少年犯罪が年間200〜400件から年間100〜110件に減っているため、ゲームが代償行為となっていると考えられなくもないが、その他の状況も変わっているためゲームが犯罪を減少させているとは言いきれない。
参考URL
基礎からわかる「ゲームの世界」犯罪との因果関係
http://blogs.yahoo.co.jp/goovkey/37229449.html
ネトゲ研究日誌 http://blog.livedoor.jp/borisgoto/archives/51309785.html
洋ゲー丼 http://www.geocities.jp/hag167/
薬と劇薬 http://www.d8.dion.ne.jp/~kuneriz/paruga.htm
ゲームと少年犯罪:因果関係を証明する難しさ http://kuma.asks.jp/4255.html
ジョイスティックが暴力の引き金に?
http://wiredvision.jp/archives/200004/2000042603.htm
AMBITION&DESIER http://mswin01.sakura.ne.jp/
ゲーム&コミックレビュー
http://members3.jcom.home.ne.jp/red_game_comics/bottom.htm