平成20111

                       レーティング制度 

105-370       中川 正隆

1.      レーティング制度

20026月にコンピュータエンターテイメントレーティング機構(CERO)が設立され、レーティング制度が200210月から実施されました。コンピュータゲームのレーティングは、購入・貸与・鑑賞ができる年齢制限の枠、及びその規定を言います。当時は、全年齢対象、12歳以上対象、15歳以上対象、18歳以上対象の4段階にレーティングしていました。しかし、拘束力を持たないため、18歳以上対象でも、対象年齢以下のユーザーへの販売を禁止することができませんでした。その後、レーティング制度の見直しや強制力を伴う販売規制を行うことを業界は求められ、2006年5月、新レーティング制度が全国で開始されました。

 新レーティング制度は、A:全年齢対象、B:12歳以上対象、C:15歳以上対象、D:17歳以上歳対象、Z:18歳以上のみ対象の5段階となっています。このうち、Z:18歳以上のみ対象となっているものは、「本商品は18歳未満の方には販売しておりません」という表記が併記され、販売時に年齢確認が徹底されるようになりました。また、旧レーティング制度で18歳以上対象とされたソフトすべてが再審査され、D:17歳以上対象、Z:18歳以上のみ対象に分けられました。

 レーティング制度の対象となっている表現は、恋愛、セクシャル、暴力、恐怖(ホラー)、ギャンブル、犯罪、飲酒・喫煙、麻薬、言葉・その他です。大まかな規定に関しては、CEROのホームページで公開されていますが、より詳細な基準は一般に公開されていないため、メーカーにとってどこまでの表現が許容されているのかわかりにくいという問題があります。

 

2.      その他のレーティング制度

上記のレーティング制度はほとんどのメーカーが積極的に審査を依頼していますが、CEROへの加盟や審査は義務化されていません。そのため、性的描写や過激な暴力・犯罪描写のあるPCゲームについては、コンピュータソフトウェア倫理機構、コンテンツ・ソフト協同組合の規制を継続して行っています。

 

     コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)

アダルトPCゲーム等の倫理的な規制及び審査を行っている任意団体です。審査は、事前有料審査と自主審査の2通りがあり、審査にパスした商品は18歳未満販売禁止、15歳未満販売禁止、全年齢対象の3つに分けられます。また、18歳未満だと特定できる人物の性的描写は禁止されています。この団体の審査は法的拘束力がなく、審査を通さなくてもアダルトゲームを販売できます。しかし、ソフ倫側が審査を通さないソフトを販売しないこと、岩手県などの20府県がゲームの販売規制を行う際の指定団体としてソフ倫を指定していることから、全国的にみてもアダルトゲームの販売において必須の審査となっています。

 

・コンテンツ・ソフト協同組合

アダルトビデオ、アダルトゲームなどの倫理的な規制及び審査などを行っている事業協同組合です。ソフ倫では容認されていない18歳未満であることを特定させた人物の性的描写の禁止が明示されていなく、高校生や生徒も容認されています。

 

 

参考文献

橘寛基(2006)『最新ゲーム業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』秀和システム

参考URL

コンピュータエンターテイメントレーティング機構 http://www.cero.gr.jp/

Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8