平成19年11月16日
ゲームと神話
105-370
中川 正隆
1. ゲームと神話
ゲームに登場する、敵、キャラクター、地名等の元ネタが神話等になっているケースはめずらしくありません。雑魚モンスターとして有名なゴブリンや、ファイナルファンタジーシリーズで最も有名な召喚獣であるバハムートは神話が元になっています(神話ではバハムートは巨大な魚でありドラゴンの姿をしていません。なぜ、ドラゴンの姿になったかというと、『Dungeons and dragons』で悪魔のドラゴンの王として登場しているティアマトと対なる存在として作られたからです。)。
2.神話が元になっている例
ここでは、特に神話の特徴を受け継いでいると思われるものを紹介します。
・ミッドガル
『ファイナルファンタジーZ』に出てくるミッドガルという地名は、ミズガルズという北欧神話に出てくる地名が元になっています(ミズガルズを英語表記にするとミッドガルド(Midgard)になります)。また、ミッドガルの近くの湿地帯にはミドガルズオルムという大蛇が出現します。これもおそらく神話が元になっていて、神話でもミズガルズにもヨルムンガンドという大蛇が存在します(ミドガルズオルム、ミズガルズの大蛇などとも呼ばれています)。
・ バジリスクとコカトリス
この2体のモンスターは、コンピュータRPGなどでは石化攻撃してくることで有名です。2体とも、神話がもとになっていて、神話の世界では両者とも相手を石にする力を持っています(バジリスクは後天的に石化能力を開花)。基本的に、バジリスクが蛇型でコカトリスが鳥型です。また、バジリスクは、最初は蛇だったが時代がくだるに従って幻獣化が進み、ニワトリと蛇の合成獣になりました。そのため、バジリスクは、ゲームによって鳥型である場合と蛇型である場合があります。
↑(左)バジリスク(鳥型)『スターオーシャン3』
(右)ヘッジバイパー(バジリスクの色違い)(蛇型)『ファイナルファンタジー]』
・ 神の十賢者
『スターオーシャン セカンドストーリー』には、神の十賢者という悪の組織が登場します。そのメンバーの名前は、全て天使の名前が元になっています(ガブリエル、ルシフェル、ミカエル、ハニエル、サディケル、カマエル、ラファエル、ザフィケル、ジョフィエル、メタトロン)。ルシフェルは、神話では神に反逆し、天界を追放された堕天使です。その特徴もシナリオに影響を与えていて、ゲーム上でも謀反を企てます。
参考文献
金光仁三郎(2007)『知っておきたい 伝説の英雄とモンスター』西東社
『スターオーシャン Till the End of Time ディレクターズカット ファイナルガイド』
エンターブレイン 2004年
『ファイナルファンタジー] アルティマニア オメガ』デジキューブ 2001年
参考URL
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8