平成19年10月19日
シリーズに依存したゲームソフト
105-370
中川 正隆
1.
シリーズに依存したゲームソフト
表1、表2、表3はそれぞれ2004年、2005年、2006年の売上TOP100のシリーズ作品比率を表しています。3年ともほとんどシリーズ作品が占めていて、ゲーム市場はシリーズ作品に依存した状態なっています。このことは、マンネリ化を生み出す原因となっています。
2. シリーズものが多い理由
シリーズものが多い理由としてハードの進化による開発費の高騰が挙げられます。開発費が高騰に伴い、企業はなるべくリスクを避けるようになりました。そのため、『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』、またはそれらに準ずる確実にヒットするシリーズの続編を出すようになり、シリーズものが増えました。また、売れるからシリーズものが増え、その結果、シリーズものがさらに売れている状況を作り出すという連鎖が生じています。
3. シリーズものによる弊害
シリーズものが多くなることによって、以下の問題が出てきます。
・
業界の活気の低下
新規ユーザーにとって続編だらけのゲームは手が出しにくいです。初めての人は2や3を買うのに抵抗を持つ場合があります。
・
開発者の意識の低下
シリーズものばかり作られる状況では、自由な発想で新しい作品に挑戦することが許されず、シリーズ開発を強制され、開発スタッフのモチベーションが下がります。また、そのような状況では、クリエイターを単なる技術者として扱ってしまい、優秀な人材の流出を招く恐れがあります。
参考文献
橘寛基(2006)『最新ゲーム業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』秀和システム
参考URL
ゲームソフト年間売上ランキング2006(05/12/25〜06/12/31)
http://g-compass.hp.infoseek.co.jp/rank/2006.html
GEIMIN.NET http://geimin.net/