平成19年10月12日
ゲーム離れ
105-370
中川 正隆
1.
縮小するテレビゲーム市場
表1のように、2001年から2004年まで4年連続して日本国内のテレビゲーム市場は、縮小を続けています。
ゲーム市場は、ハードの移り変わりに伴って規模が拡大したり縮小したりします。基本的に、シェア争いに勝ち残ったハードが普及のピークを迎えると市場の拡大が止まり、緩やかな縮小期に入ります。そして、次世代機が発売され、それが定着すると再び拡大期に入ります。例として、1994年12月に発売された「プレイステーション」の市場は、1997年まで拡大し、1997年から縮小期に入っています。
しかし、「プレイステーション2」が2000年3月に発売されたにもかかわらず、ゲーム市場は縮小したままになっています。この現象を業界ではゲーム離れと呼んでいます。
2. ゲーム離れの原因
ゲーム離れが起こる原因は以下の通りです。
・ 少子化
ゲームユーザーの多くは小中学生で占められています。しかし、少子化のため小中学生の数が減少しています。その結果、ゲーム市場が縮小しました。
・
他メディアの普及
インターネットや携帯電話などの普及により若者の消費動向が変化したこと、ゲーム機でDVDなど映像ソフトの再生が可能になったため、それらにユーザーが流れたという原因もあります。
また、「プレイステーション」で拡大した市場はバブル的なもので、それが元に戻ったという見解があります。
3. ゲーム離れに対する反対意見
一方で、ゲーム離れは起こってないという意見もあります。表1の統計にはパソコンで行うオンラインゲーム、携帯電話のゲームコンテンツ、アーケードゲーム市場などが含まれていません。それらを含めた場合、ゲーム市場の規模は2001年に1兆200億円、2005年に1兆1400億円と拡大し、その間、1度もゲーム市場は縮小していません(アーケードゲーム市場はハードの売上高ではなく、オペレーションの売上高)。また、2005年は「ニンテンドーDS」などのヒットにより、オンラインゲーム、携帯電話のゲームコンテンツ、アーケードゲーム市場を除いた市場でも拡大しました。
参考文献
橘寛基(2006)『最新ゲーム業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』秀和システム
参考URL
「ゲーム離れ」はウソ?――本当は成長していた日本のゲーム産業
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000008092006&cp=1
本当は「ゲーム離れ」なんて起きてない!http://allabout.co.jp/game/gameboy/closeup/CU20060912A/
技術の概要 http://www.ryutu.inpit.go.jp/chart/H16/denki27/1/pdf/1-0.pdf