平成1992

             ゲームソフトの開発費

105-370       中川 正隆

1.      ゲームソフトの開発費

ゲームソフトの開発費用は、ゲーム機の性能に比例して上昇します。例として、ファミリーコンピュータで1000万円、スーパーファミコンで3000万円、プレイステーションで1億円、プレイステーション2では23億円となります。また、プレイステーション3で本格的なソフトを作るには数十億円が必要になると言われています。開発費用が上昇する原因として以下の理由があります。

     ハードウェアの進化

例として、ファミコンでは色の表示性能は同時12色が限界でしたが、スーパーファミコンでは256色、プレイステーションでは1677万色と飛躍的に増加しています。

 

     人件費

かつては、開発費用の中心は機材などの購入コスでしたが、最近では人件費が費用の中心となっています。理由として、グラフィックスの進化とゲーム自体の大容量化による開発期間の長期化が挙げられます。特に、グラフィックスはユーザーの目にもわかりやすいために、作りこみのために多くの人材と期間が必要になります。

 

2.      ライセンシー料

テレビゲームソフトビジネスに参入するには、ハードウェアメーカーとライセンス契約することが必要です。そして、ソフトメーカーはソフト1本あたりいくらというお金をライセンシー料としてハードウェアメーカーに支払わなければなりません。また、ライセンシー料は、実際の価格は契約で決め、企業間の秘密となっています。ハードウェアメーカーは、ライセンシー料によってゲーム機の開発費用を回収し利潤を上げます。そのため、メージャーなタイトルを囲い込むために、有力ソフトメーカーにだけ有利な条件を提示することも多いです。また、大量に売れるソフトにはボリュームディスカウントが存在します。

 

ボリュームディスカウント………一般的に、ソフト1タイトルで50万本売れれば5%、数百万本売れれば20%ライセンシー料が割引されます。

 

 

参考文献

橘寛基(2006) 『最新ゲーム業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』 秀和システム