ジェネリック医薬品とは?③

 

◆薬の特許

・新薬(先発医薬品)の開発には巨額の費用と膨大な時間を必要とするため、開発企業(先発企業)は新薬の構造やその製造方法、構造などについて特許を取得して、自社が新規に開発した医薬品の製造販売を独占し、価格を高く設定して投下した資本の回収を図る。しかし、特許権の存続期間が満了、または再審査期間が終了すると、他の企業(後発企業)も特許使用料を支払うことなく先発医薬品と同じ主成分を有する医薬品(=後発医薬品)を製造販売ができるようになる。

※通常の特許権利期間は特許出願日から数えて20年。開発期間が非常に長い医薬品などに関しては、関連する物質特許・用途特許・製造特許の権利期間を5年間延長できる。

※先発企業は同一薬効成分に新たな効能・適用・結晶型などを発見することで特許を追加取得して特許期間を延長したり、製剤・剤型を見直して効能以外の付加価値をつけるなどして、後発企業の進出に対抗する。

 

 

◆ジェネリック医薬品を使うとどのくらいやすくなるのか?

<例>高血圧の薬一ヶ月で約640円、一年で約7600円安くなる場合

 

高血圧のお薬の場合(111錠)

 

先発医薬品

ジェネリック医薬品

差額

1日あたりの薬価

97.70

26.60

71.10

1ヶ月 健保・国保(3割負担)

880

240

640

 

1年間

 

健保・国保(3割負担)

10,560

2,880

7,680

老人保険(1割負担)

3,520

960

2,560

老人保険(2割負担)

7,030

1,920

5,110

 

骨粗鬆症のお薬の場合(111錠)

 

先発医薬品

ジェネリック医薬品

差額

1日あたりの薬価

113.80

28.10

85.70

1ヶ月 健保・国保(3割負担)

1,020

250

770

 

1年間

 

健保・国保(3割負担)

12,240

3,030

9,210

老人保険(1割負担)

4,080

1,010

3,070

老人保険(2割負担)

8,160

2,020

6,140

 

     ジェネリック医薬品は先発医薬品の2割~8割安いものがある。

・「後発医薬品への変更可」処方箋は同「不可」処方箋よりも診療報酬が2点(20円)高く設定されている。また、薬局で後発医薬品への変更が行われた場合、初回または新たな後発医薬品へ変更した場合に、後発医薬品情報提供料10点(100円)を支払うことになる。そのため、医薬品の種類・投与日数によっては先発医薬品を使った方が一部負担金が安く済むケースがあり、一概に後発医薬品へ変更は安くなるわけではないと言える。