ジェネリック医薬品とは?②
◆海外と日本のジェネリック医薬品事情
【アメリカ】
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ジェネリック医薬品は日常的に多用。(→「同じ効き目なら安い薬を」という合理主義)
・ FDA(食品医薬局)が①オレンジブックを発行。
・ ②代替調剤が認められている。(→患者が先発医薬品とジェネリック医薬品を選択できる。)
①オレンジブック・・・オレンジブックとは後発医薬品の使用促進のため米国で発刊されているもので、 FDAが先発医薬品と後発医薬品の生物学的同等性の判定を行い(生物学的同等性試験)、
その治療上の同等性についての評価を掲載したもの。
②代替調剤・・・代替調剤とは、医師が処方した医薬品を、薬の専門家である薬剤師が品質とコストを考慮し、患者さんの同意の上で同一成分の他の名称の医薬品に替えることが認められている制度。
【ドイツ】
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ジェネリック医薬品市場は飛躍的に拡大。(→医療費抑制策としての1989年の③参照価格制と1993年の④総枠予算制導入による。)
③参照価格制・・・成分・効能が同じ薬をグループ分けして参照価格(上限)を決め、その価格までは保険で支払われるが、これを上回る分は患者が負担するという制度。
④純粋予算制・・・健康保険組合が支払う年間の医療費や薬剤費について、国が上限を定める制度。
【他のヨーロッパ諸国】
<フランス>代替調剤が1999年に認められてから以降は、年々使用量が増えている。
<オランダ>・ジェネリック医薬品処方と代替調剤が奨励。
・ ジェネリック医薬品の価格は、先発品と比較すると25%安くなっており、地域によってはマーケットの50%を占める。
【インド】
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先発品の特許を持つ製薬会社に特許料を支払わず、安価なジェネリック医薬品を製造。
・ ジェネリック薬の合法的な生産が可能。(→国内の特許法が医薬品を特許対象外と規定しているため)
【日本】
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ジェネリック医薬品は欧米に比べてかなり低いシェアにとどまっている。
Ⅰ 薬剤制度
・積極的にジェネリック医薬品に切り替えていくような制度になっていない。
Ⅱ 代替調剤(→②)が認められていない
・欧米では一般的に代替調剤が認められているが、日本ではまだ認められていない。
Ⅲ ジェネリック医薬品に切り替える煩わしさ
・実務的煩わしさ…コンピュータデータの変更やシステム投資、処方する医師や薬剤師への新名称の浸透・普及、患者さんへの説明など、面倒な手続きが生じる。
・心理的煩わしさ…日本では一般的に薬のブランド名に親しんでいる傾向がある。
Ⅳ 品質や情報に対する不安
・ジェネリック医薬品メーカーは中小企業が多い。
・MR(医薬情報担当者)も少なく、情報が乏しい。