さまざまなうつ病のケース

~仮面うつ病~

 

仮面うつ病とは?

  ➡「一見うつ病のように見えない」うつ病のこと。

うつ病は"こころの病"として発現するだけでなく、むしろ、うつ病と診断されていない段階では、"からだの病"として現れる症状が多いという特徴がある。さまざまな身体の異常や症状が、あたかも「仮面」を被って出る(こころの症状がマスクされている)ところから、このような病態が主に現われるうつ病のことを「仮面うつ病」と言う。

 

◆気付かれにくい仮面うつ病

身体の不調があまりに酷い場合は、精神科よりも内科などを受信することが多く、そこでいろいろな検査をしても全く異常は出てこない。このような場合、最後までうつ病の範囲に入る病気とは思わず診療が終わったり、せいぜい「自律神経失調症」というあまり意味の無い病名をつけられることもある、という。

異常が見られなかったり、医師の説明に納得できなかったりする患者の中には、ドクター・ショッピング(ホスピタル・ショッピング)を繰り返す人もいる。

いろんな医師にあちこちかかる事

 

◆仮面うつ病になりやすいタイプ

・心の動きに敏感に反応したり、それを言葉で表現するのが苦手なタイプ

・世の中の実務的、実際的な面ばかりに関心が向いて、人の感情や気持ちの働きに気付きにくいタイプ

                 ↓

このようなタイプを「アレキシチミア」という。

 

◆アレキシチミアとは?

 アレキシサイミア」「失感情症」「感情表出言語欠損症」ともいう。

自らの感情を自覚・認知したり表現することが不得意で、空想力・想像力に欠ける傾向のことをさす。感情鈍磨や無感動のように「感情の変化を失った状態」という印象をあたえるが、「感情を認知すること」の障害である。

嬉しい。悲しい。腹立たしい。悔しい。しんどい。惚れる。憎い。みじめだ。甘えたい…といった感情が自分の中に沸きあがってきているのに、本人はまったく気づかない状態

 アレキシチミアの傾向にある人は、主に心身症になりやすい。