さまざまなうつ病のケース
~女性とうつ病~ 続き
2.ホルモンバランスの影響について(続き)
◎更年期障害とうつの関係
◆更年期障害とは?
女性は40歳を過ぎたころから卵巣の機能が低下し、それに伴ってエストロゲンという女性ホルモンの量が減少し、その結果閉経をむかえることになる。更年期とはこの閉経を中心とした約10年間を言う。この更年期のときにさまざまな症状がからだやこころに現れることが更年期障害である。
エストロゲンの欠乏にともない、全身の臓器や代謝系に影響が出てほてりやのぼせなどのからだの症状や憂うつ感などのこころの症状が現れる。
◆更年期にうつ状態になりやすいとされる理由
からだの変化(閉経)+ 生活面でのさまざまな変化
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更年期は女性にとって心身ともに揺れ動く時期であり、うつ病の引き金となりやすいワナの多い時期である!(更年期には、それ以前に比べてうつ病になる可能性が2倍に。)
<生活面での変化>
・ 子どもの自立(自分の役割が終わることへのむなしさ)
・ 夫婦間の関係(夫が仕事で忙しい,夫婦だけの生活 etc・・・)
・ 若さや体力の衰え,健康への不安
・ 近親者の介護への疲労
・ 近親者との死別の機会が増える
[空の巣症候群]➡家庭に一人残された母親の孤立感を表す表現。
子育ての"巣"であった家庭が空っぽになったように感じる母親特有の心理状態。それまで自分の生きがいやこころの拠り所であった「子育て」という役割が子どもの自立によって失われるため生じる。抑うつ状態からうつ病に陥ることが多い。