プレネイタルビジット(出産前小児保健指導)

(女性とうつ病 産後うつ病・マタニティブルーについて 補足)

 

プレネイタルビジットとは?

妊産婦などを対象に妊産婦の持つ育児不安を解消するために、小児科医などが育児に関する保健指導を行うことにより、こうした不安解消を図るとともに生まれてくる子どものかかりつけ医の確保を図るもの。

 

事業の実施主体は?

 ➜事業の実施主体は市町村(特別区)。市町村は医療機関へ委託することができるが、その場合は、地域医師会と十分協議し、適切な医療機関を選定することとされている。(あらかじめ市町村と医療機関との委託契約が必要。)

市町村(特別区)が、次世代育成支援対策推進法()に基づく地域行動計画に、出産前小児保健指導(プレネイタル・ビジット)事業の実施を掲載し、事業に取り組む場合、市町村(特別区)に交付される「次世代育成支援対策交付金(ソフト交付金)」の支給対象となる。

※「次世代育成支援対策推進法」

少子化対策の推進を目的とする法律。地方公共団体および事業主に対し,国の指針に基づく子育て支援のための行動計画の策定を義務づけ(従業員数が 300 人以下の企業は努力義務),国・地方公共団体・企業が一体となって次世代育成支援対策に集中的・計画的に取り組む内容を定める。2003 年(平成 157 月制定。2015 年までの時限立法。

 

対象者は?

 ➜医師または市町村長が、育児不安が高いなど保健指導を必要と認めた妊産婦、配偶者などの家族。

 

市町村は何をする?

 ➜出産前後小児保健指導受診票を交付する。母子健康手帳の交付時に交付するほか、必要に応じ、随時交付。受診票の交付は11回限り。

 

産婦人科医はどのように小児科医を紹介する?

 ➜産婦人科医は、医療機関に委託して行う妊婦健康診査(妊娠後期が望ましい)等において、小児科医等による保健指導を必要と認めた場合には、既往症及び家族歴、妊娠の経過等を記入した出産前後小児保健指導紹介状を妊産婦等に交付するとともに、市町村に当該妊産婦の状況について連絡する。

 ※産婦人科医からの紹介がない場合であっても、小児科医等の委託医療機関が産婦人科医と連携をとり、妊産婦の保健指導を行った場合または市町村長が当該妊産婦等について、小児科医等の指導が必要であると判断し、小児科医等を紹介した場合も本事業の対象となる。

 

小児科医は何をする?

 ➜紹介状を持参した妊産婦等に対して、育児不安の解消に努めるとともに育児に関し指導する。保健指導を行った場合には速やかに指導結果を市町村長に報告し、原則として、紹介元の産婦人科医へも指導結果を連絡する。

 

 

◆モデル事業報告結果より

①実施医師数  

産婦人科988名(63%)

小児科医582名(37%)

 

②小児科医による指導内容

 

③紹介料・指導料

     婦人科医から小児科医への紹介料・・・30004000円が約半数。

      小児科医の指導料・・・60007000円(32%)

           70008000円(22%)

     現在では無料で行われている。しかし、一回限りであることが多い。

 

④アンケート結果

     産婦人科医・小児科医の意見・要望

    

「育児不安の解消の役に立っている」,「産婦人科医・小児科医の連携が大事である」,「子どもに対する愛情の向上に繋がった」,「児童虐待の防止に役立った」 etc・・・

 

 

 

 

     育児指導を受けた母親などの意見・要望

   

「指導内容が役に立った」(約60%),「不安が軽減した」,「その後も小児科の先生に受診した」,「ミルクから母乳に変えた」 etc・・・

 

⑤モデル事業から見えた課題

     産婦人科医の率先した事業への協力・スタートが必要である

  (➜PVを知るきっかけは産婦人科医からの紹介が最も多いことが分かったことから。)

     PR・啓発の重要性

     他の医療機関との連携

 

 

 

 

日本医師会 出産前小児保健指導(プレネイタルビジット)事業 QA (平成182月)

http://www.med.or.jp/kodomo/sqa.pdf