さまざまなうつ病のケース

  ~女性とうつ病~ 続き

 

2.ホルモンバランスの影響について(続き)

◎月経周期とうつの関係

月経前に「イライラしたり」、「不安になったり」、「むくんだり」といった、いつもとは違う心や身体の不調を感じている女性は多く、軽いものまで含めると78割の女性が経験していると言われている。一部の女性では日常生活に支障を来たすほど重症になる。

 

<身体の症状>

     手足や身体がむくんだように感じる。

     頭痛が酷く、時には吐き気を伴う。

     にきびや吹き出物が出る。肌が荒れ、化粧が上手くのらない。

     身体がだるくて仕方が無い。

     すぐに疲れて横になりたくなる。

     なんとなくムカムカして食欲が無い。

<心の症状>

     うつっぽくなる。(いろいろな事が嫌になる,引きこもりがちになる,ふさぎこんだ気分…)

     イライラする。(いらだち,落ち着きがなくなる,怒りっぽくなる・・・)

     注意力が散漫になる。(判断力の低下・・・)

     睡眠のリズムが乱れる。(昼間も眠くて仕方がない,夜の不眠・・・)

     情緒不安定が著しく、涙もろくなる。

 

【月経前症候群(PMSPremenstrual Syndrome)】

月経前に乳房の張りや痛み、体調や気分の変化を経験する病態。仕事などをすることに苦痛を感じるが、月経後には解消する。重症例がPMDDである。

 

【月経前不快気分障害(PMDDPremenstrual Dysphoric Disorder)】

月経に先立ち、強い抑うつ気分や苛立ち、不安、情緒の不安定を訴える病態。ほとんどの月経周期において周期的にみられ、仕事や日常の活動を妨げるが、月経開始後または月経1週間後には消失するとされる。

PMDDでは、PMS以上に精神症状が顕著に現れるという特徴がある。強い抑うつ気分や不安感、怒りの感情などがみられる。自殺念慮がみられることすらある。