さまざまなうつ病のケース
~女性とうつ病~ 続き
2.ホルモンバランスの影響について(続き)
◎月経周期とうつの関係
◆月経前に「イライラしたり」、「不安になったり」、「むくんだり」といった、いつもとは違う心や身体の不調を感じている女性は多く、軽いものまで含めると7~8割の女性が経験していると言われている。一部の女性では日常生活に支障を来たすほど重症になる。
<身体の症状>
・ 手足や身体がむくんだように感じる。
・ 頭痛が酷く、時には吐き気を伴う。
・ にきびや吹き出物が出る。肌が荒れ、化粧が上手くのらない。
・ 身体がだるくて仕方が無い。
・ すぐに疲れて横になりたくなる。
・ なんとなくムカムカして食欲が無い。
<心の症状>
・ うつっぽくなる。(いろいろな事が嫌になる,引きこもりがちになる,ふさぎこんだ気分…)
・ イライラする。(いらだち,落ち着きがなくなる,怒りっぽくなる・・・)
・ 注意力が散漫になる。(判断力の低下・・・)
・ 睡眠のリズムが乱れる。(昼間も眠くて仕方がない,夜の不眠・・・)
・ 情緒不安定が著しく、涙もろくなる。
【月経前症候群(PMS=Premenstrual Syndrome)】
月経前に乳房の張りや痛み、体調や気分の変化を経験する病態。仕事などをすることに苦痛を感じるが、月経後には解消する。重症例がPMDDである。
【月経前不快気分障害(PMDD=Premenstrual Dysphoric Disorder)】
月経に先立ち、強い抑うつ気分や苛立ち、不安、情緒の不安定を訴える病態。ほとんどの月経周期において周期的にみられ、仕事や日常の活動を妨げるが、月経開始後または月経1週間後には消失するとされる。
PMDDでは、PMS以上に精神症状が顕著に現れるという特徴がある。強い抑うつ気分や不安感、怒りの感情などがみられる。自殺念慮がみられることすらある。