さまざまなうつ病のケース

  ~女性とうつ病~ 続き

 

2.ホルモンバランスの影響について(続き)

 

◎産後うつ病

出産後は妊娠中に増加していた女性ホルモンの分泌が急速に低下するため、再び体内でのホルモンバランスが崩れ、心身が不安定な状態になる。出産後にもマタニティブルーが続く、不安感やイライラ感が強い、身体の異常、などがあるような時は「産後うつ病」と呼ぶ。

<症状>抜粋

     抑うつ気分・・・憂鬱、悲しい、希望が持てない、イライラ感が続く、身体がどことなく不調

     睡眠障害・・・赤ちゃんのことが気になって眠れない など

     物ごとへの関心の喪失・・・赤ちゃんへの興味の喪失、人との会話が億劫 など

     強い罪悪感・・・意味も無く「自分は母親として失格」「夫に申し訳ない」など自分を責める         

     思考力や集中力の低下・・・注意が散漫となり、家事などが手につかなくなった など

     死にたいと思う・・・自分だけでなく、赤ちゃんも、と思うような場合は重症である

 

産後うつ病は出産後2週間以内に発病することが多い。放置したままだと本人の気分の落ち込みだけでなく、その後の子育てに悪い影響を及ぼしたり、家族内でのトラブルを生じる原因ともなる。

社会の都市化により育児環境も変化している。マンションなど集合住宅化にともなう小家族構成に加え、子育てに対する夫の支援の少なさなどから、若い母親に強いられるのは「家庭という"密室"での育児」である。

 

産後うつ病は酷い場合には、子どもを殺してしまったり、無理心中をしてしまうこともあるので軽視してはいけない!

 

 

「プレネイタル・ビジット」とは?

出産を控えた妊婦やその家族が、産婦人科医と連携した小児科医を訪問することによって、育児相談や育児不安の解消による精神的援助を受けられることを目的とした国による新しい支援制度。現在、全国各地で協力施設が増加しつつある。