さまざまなうつ病のケース
〜子どもとうつ病〜
1.子どものうつ病の特徴
◆ 心身共に発達過程にある子供は、落ち込んだ気分を大人のように言葉で表現できない事が多く、抑うつ気分や睡眠障害以外にも、行動や身体症状として現れることが多い。
【こども特有の症状】
・ イライラ感,焦り,怒りっぽいさが表に現われやすい
・ 注意力低下,集中困難
・ 無気力(不登校、引きこもり等)
・ 成績が落ちる
・ 攻撃的行動,反抗的態度
・ 自傷行為,自殺を考える
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表面に現われた問題行動に目を奪われてしまうと背後にあるうつ病が見落とされてしまう。
また、行為障害,多動,学習障害などと関連して起こることもある。
2.子どもとうつ病の治療
◆前提:うつ病は必ず治る病気である。
◎うつ病の治療には坑うつ薬が効果的である。
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しかし、特に思春期の子どもは、自我が目覚め、自立して行こうとする気持ちが強くなっているため、薬に頼ったりすることに本人自身が抵抗感を持つことがある。
・ 薬の使用によって自分の力が否定される
・ 薬を通して大人に支配される と感じる
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子どもの心理状態を十分配慮し、よく話し合って慎重に服用をすすめることが必要!
◉ 子ども本人が病院に行けない場合、家族が医師に相談することで突破口が開け、環境が改善されて子供の症状がよくなる場合も多い。児童精神科以外にも、保健所での児童発育相談、かかりつけの小児科医など信頼できる誰かに相談することが大切である。
◉ 子供のうつも大人と同じく十分な休養が必要。周囲は「がんばれ」など励ますのではなく、焦らずゆっくり治すことを考えなければならない。