さまざまなうつ病のケース

~高齢者とうつ病~

 

1.高齢者のうつの危険因子

     身体の自由がきかなくなる→出かけることができなくなる。(機能障害)

     社会的な役割が無くなる(退職/子供の独立 等)。

     親しい人や同年代の死や転居(対象喪失体験)。

     身体の病気の合併

    ➥重症であればあるほどうつ病にかかりやすい。

(特に脳卒中が原因でうつになる人が多い。)

 

     慢性的な痛みが続いている場合、社会的な環境に恵まれない場合、身体疾患が存在している場合にはうつ病が慢性化する危険性が高くなる。

 

 

2.高齢者のうつ病の特徴

     うつの気分よりも身体の不調、痛みを訴える。

➥身体疾患による身体の痛みなどの症状を持つことがうつ病を悪化させる

     痴呆に似た症状が現れる。(「仮性痴呆」「偽痴呆」)

「不安がって家事ができなくなった」「日常のことを覚えていないことが多くなった」など。しかし、実はうつ病による不安症状だったり、周りのことに関心が乏しくなったために覚えていないだけということも多い。

     物事を極端に悲観的に考えるようになる。

     倦怠感

     食欲不振

     睡眠障害

                 ↓

◇高齢者のうつ症状は抑うつ症状が気付かれにくい◇

 

     福島県の場合、高齢者の約15%がうつ状態にあり、約5%がうつ病にかかっていると推計されている。