双極性障害
1.双極性障害とはどんな病気か?
「躁」状態と「うつ」状態を交互に繰り返し出現する病気である。
双極性障害は、100人に1人位しかかからない病気で、誰でもなりうる「うつ病」とはだいぶ異なっている。いったん治っても、放っておくとほとんどの人が数年以内に再発するので、生涯にわたる予防療法が必要である。
2.双極性障害の症状
【躁状態】
〈Ⅰ型の躁〉・最高に気分がよく、やる気もあり、新しいことを始める。しかし、すぐ気が変わるので実際は仕事がはかどらない。
・機嫌はとても良いが、ささいなことで激怒する。
・何週間も不眠不休で行動をしたり、ひどい時には、普段とは別人のような行動をする。(ex何百万円ものむだな買物、暴力や性的逸脱行為 等)
➜本人は気分が高ぶっているために、自分は病気ではないと思っており、心配して治療を受けさせようとする家族をじゃま者扱いするため、家族も非常に疲れてしまう。
〈Ⅱ型の躁〉・会生活を営めるくらいの躁(軽躁)で、激しく怒ったり妄想が出たりはし
ない。
・眠らなくても平気で機嫌がよく、友だちとの交流も活発で、何も問題ないように見えるが、単純に楽しいわけでは決してなく、イライラが募ったりもしており、楽しそうな状態も実はかなりのプレッシャーがかかっていたりする。
➜感情をコントロールせずに放っておくといずれうつ状態になる。
【うつ状態】➜ほぼうつ病と同じ。(抑うつ気分、睡眠障害 等)
☆うつ状態や躁状態のような気分の変化はマイナスに働くだけではない、と考えることも出来る。精神的な悩みは、気分の障害に限らず、環境の変化などで強いストレスを感じたときに精神的な体勢を立て直すための適応的な意味を持つ。
うつの場合・・・一度立ち止まって考え直したりするための人間的な反応
躁状態の場合・・・エネルギーを極端に高めて危機的状況を切り抜けようとしている