20065.12

2歳児の発達と絵本

 104510 山口和嘉子

1.成長

@身体全体のバランスと敏捷性の発達

         ↓

なんでも「ジブンデ!」とやりたがるようになる。

         ↓

“自我の確立”

Aイメージを頭に描けるようになる

→電話で話せるようになる。うそが言えるようになる。

⇔でもまだ十分に虚構の世界を理解できるわけではない。

 

2.               どんな絵本を選べば良いか?

     ストーリー性のある絵本

→実際の体験が土台になって展開する物語絵本→想像力の発達

 

3.               読み聞かせのポイント

@     文はゆっくりとわかりやすく、少し抑揚をつけて読む

A     絵をゆっくりと見られるように配慮する

B     言葉をゆっくりと聞いてあげる

 

3に関連して

 先週、図書館に行ったとき、たまたま読み聞かせをやっていたので聞いてみた。読み手はボランティアのおばさん3人で、30分間交代で56冊読んでいた。平日の午前中だったため、聞き手は13歳くらいの親子だったように思われる。

 どの子も静かに聞いていたが、ある場面でちょうど2歳くらいの男の子が言葉を発した。題名は忘れてしまったが、動物たちがパーティにおみやげを持って訪ねてくるという話でのことだ。動物たちは家に着くとまず「トントン」とドアをノックする。初め、ボランティアさんはそのとおりに「トントン」と読んだ。しかし、その男の子は自分の家と比べて不思議に思ったのだろう。「トントンじゃなくてピンポーンだよ。」と意見した。確かに今、人の家を訪ねるときに玄関をノックする人は少ない。たいていの人がインターホンを押す。思わず笑いが起き、その後ボランティアさんは「トントン」を「ピンポーン」と読みかえて読んだ。男の子は納得したように黙って楽しそうに聞いていた。

 私が読んでいる参考文献に「2歳児は物語の文を聞き、絵を見て、その絵から何かを発見したり不思議に思ったりすると、指を指し、言葉に出して読み手に知らせようとしてくる。」と書いてあったが、今回の経験でそれがよくわかった。

 

参考文献

      高山智津子、徳永満理(2004

『絵本でひろがる子どものえがお−発達に沿った年齢別読み聞かせ』p p5662