平成19年7月6日

「援助に対する先進国の隠された動機」

104-497　森奈津子

・「緑の革命」

　農業の効率化　安価　　　　　　　　　　　機械化　労働集約的→資本集約的

　　　　　　　　食糧不足解消　　　　　　　化学肥料、殺虫剤の投与

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　種苗取引の自由化→パテント化

目的　　　　　　　　　　　　→　実態

　　将来の人口増加に対応　　　　　　発展途上国に債務

　　第三世界の食料供給体制　　　　　生産した食糧を輸出→食料購入、債務返済の代金

・先進国　経済的利益→市場開拓

　　　　　政治的利益→新植民地主義

　　　　　　機械　　　　　　　　　　　資本集約的産業への転換、反自然的

　　　　　　肥料、薬品、飼料　　→　　第三世界　→　累積債務

　　　　　　先端技術　　　　　　　　　　　　　　　　　依存体質　→　貧困

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　従属的　　→　飢餓

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　環境破壊

・開発政策　資本集約的　　　原蓄積のない第三世界

　　　　　　　輸入代替政策　　先進国から債務　→　工業化　国内市場は育成されず

　　　　　　　緑の革命　　　　　　　　　援助　　　　　　　購買層なし→失業者増加

　　　　　　　　　　　　　　　ひも付き援助　　　　　　　　保護主義→×品質向上

先進国企業の受注　農業　　工業化

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　生活密着→市場化

・構造調整政策

　　1980年代　IMFと世界銀行　　「政府の介入のしすぎを問題視」

　　融資の際IMFの承認が必要　　　　保護主義撤廃、自由主義、市場開放

　　　→市場自由化　構造改革　　　　 金融引き締め、資本の自由化、政府の補助金削減

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　→従わなければ援助打ち切り

・結論

　現在の開発政策、援助は最終的に発展途上国ではなく先進国に利益がある構造になっている。しかし、国際社会がアナーキーであり国家が自国の利益を追求しなければならない以上、それを変化させる事は困難である。発展途上国は現在のシステムを破壊するか、出し抜くかをしなければ発展は難しい状態にある。

黒田寿郎『イラク戦争への百年』2005年　書四心水