平成19年5月18日
「工業化政策 その1」
森奈津子
・ISI(輸入代替工業化)戦略
発展途上国が工業化を目指す際に、現在先進国から輸入されている製品を自国で生産し、工業化を図るもの。政府が経済に大きく関わる保護主義であり、政治の影響力が非常に大きい。そのため、企業と権力が癒着しやすく政治腐敗が発生しやすいとされる。また、自国内の市場のみを対象とするため、市場規模にも限界がある。現在のアメリカを中心とするWTO体制(自由貿易の推進)の流れとは一致しない。
ISIの流れ
工業化開始 → 自国の需要に見合った生産 → 現在利用されている工業製品 →
〃 輸入されている 〃
⇒ 輸入製品を自国で生産、工業化
・関税政策…自国に入ってくる工業製品に対し、高い関税率をかける
例:同じものが作れると仮定して、製品にかかるコストを単純に比較した場合
日本からのバイク 50万 ⇒ 関税50% ⇒ 75万
タイのメーカー 70万
価格が 日本製 > タイ製 となり、タイのバイクが売れる。
⇒ 外国製品の価格上昇により国産品を保護、関税収入
・ローカルコンテンツ…外国企業を自国に呼び込むツール
例:LC40% = 自国で生産される製品の40%は国内生産の必要
外国企業の参入 ⇒ 雇用創出、技術移転
・人為的低金利政策…政策的に金利を低く抑える事で投資しやすい金融環境を整備する